深い森に包まれた芥子山とその上の寺社仏閣の近所です。
江戸時代前期から明治時代初期にかけて、備前国内でトップクラスのスケールを持つ神社としておおぜいの参拝者を集めてきた大多羅寄宮。その後南側に位置する布施神社に合祀されたため現在や社殿や石段などの跡地が広がるのみですが、昭和初期に国の史跡に選ばれています。この跡地および布施神社のすぐ南に隣接する形で建てられているのが、大多羅駅です。駅の北側は、これらの寺社仏閣が建てられた芥子山の山林が広がっています。したがって一般の住宅地は主に駅の真南から延びています。平凡な宅地がほとんどですが、商店なども少しずつ増えており、最近は全国的なチェーン店が当たり前のように出店しているシーンを見かけるほど、便利になりました。大多羅駅の付近には、バス乗り場などは現在設けられていません。数百メートル南方に進むと県道28号線が出てきますが、この沿道に両備バスの乗り場が設置されています。大多羅駅は、JRの赤穂線に所属しています。どちらかといえば終点寄りの駅で、山陽本線に簡単に乗り入れられるというメリットがあります。そしてすぐ隣に東岡山駅が存在します。この隣駅は、山陽本線の瀬戸方面を目指したいときに手ごろな乗り換え場所となります。東岡山駅から3区間進むと岡山駅に到着します。岡山駅で現在乗り継ぎできる路線をあげると、山陽本線・伯備線・宇野線・津山線・吉備線、そして山陽新幹線となります。路面電車も含めるなら、岡山電気軌道の東山本線を取り上げることができます。大多羅駅の利用率は、ゆっくりとしたペースで上昇してきました。1日ごとの乗客数は、2007年に1200人を超えました。2010年代に入ると、増加の勢いにはずみがついており、今後の行方についてさまざまな意見が述べられています。大多羅駅の近辺は、介護施設が多い一帯からは残念なことに離れているようです。もっとも、山林に面しているため施設をつくれるスペースに制限がかかることは忘れてはいけないでしょう。そのようなハンデがあるにもかかわらず、介護事業界は少しずつ施設の建設に力を入れてきました。駅から4~5キロ、あるいはもっと遠ざかってしまう可能性は否定できませんが、良心的な介護付き有料老人ホームなどが建てられていることは紛れもない真実。入居費用についても、都会の施設と比べて格段に安くなるチャンスがあります(100万円単位の費用を必要としない施設が主力となっている、と考えてかまいません)。














