喘息・気管支炎でも対応が可能な施設特集
高齢者の喘息・気管支炎は重症化するケースが多い!?

喘息や気管支炎は、年代を問わず誰にでもかかる可能性がある病気。それなのにここで取り上げるのは、高齢者にとっての喘息や気管支炎は、慢性化・重症化する可能性が高いためです。COPD(慢性閉塞性肺疾患)や心疾患といった他の病気を併発する場合も多く、重症化すると呼吸機能が著しく低下し、人工呼吸器をつけての生活を余儀なくされるケースも少なくありません。だからこそ、介護施設への入居ではきちんと医療・看護ケアを受けられるかどうかを重視したいところです。
喘息・気管支炎の高齢者は、医療機関との連携が強い老人ホーム選びを
高齢になると免疫力が低下することから、気管支炎を起こしやすくなる方がいます。気管支炎はその名のとおり、気管支が炎症をおこすことです。気管支炎の主な原因は、細菌やウイルスです。風邪をひいていつまでも咳がとまらない場合は、気管支炎をおこしている可能性があります。
ほかにも喫煙などによっても気管支炎が引き起こされることもあります。とくに長年タバコを吸っている高齢者は要注意。自覚がないうちに慢性的な気管支炎になる可能性も指摘されています。気管支炎が悪化すると肺炎を起こすことも。肺炎は高齢者に死亡原因第3位となっていますので「たかが風邪、たかが気管支炎」とあなどらないことです。
喘息は気管支炎と症状が似ていますが、その原因に違いがあります。喘息の原因は主な原因はアレルギーであるとされており、遺伝も関連しています。喘息は免疫の過剰反応によるもので、その原因はアレルギー(ハウスダストやペットの毛など)以外にも排ガスや喫煙、ストレスなども関連していると言われています。ただ成人喘息はアレルギー以外の要素で発症し、原因がよくわからないケースもあるため寛解させることがむずかしいとも言われています。
気管支炎や喘息を発症している高齢者は、息切れや動悸、呼吸困難などの症状に見舞われます。呼吸困難が長時間におよぶと血液中の酸素が不足し、意識を失ったり指先や唇が変色することも。このような重篤な症状をふせぐためにも、喘息・気管支炎の高齢者が老人ホームに入居するときには、医療機関と老人ホームとが連携している介護施設を選びましょう。
みんなの介護では、喘息・気管支炎に対応する約4,454か所の介護施設情報が網羅されています。その老人ホームの内容を見てみると「24時間看護師常駐」「日中看護師常駐」と表示された施設が多くなっています。看護師が老人ホームに常駐しているだけではなく、クリニックなどの医療機関とも連携がとれている介護施設も多く、いざというときに医師や看護師による医療ケアがすぐに受けられるようになっています。喘息や気管支炎の方は、医療機関と老人ホームとがどれだけ密に連携しあっているかをチェックすると良いでしょう。
喘息の高齢者が老人ホームでの生活で気をつけたいこととは?
喘息と聞くと「小児喘息」とイメージしてしまう方もいるのではないでしょうか。喘息は主に子どもの病気で、成人喘息は小児喘息が再発したもの、または完治しないままの状態と考えている方もいるのではないでしょうか。ところが成人喘息は40~60代の中高年世代になってから、初めて発症するケースも少なくありません。
厚生労働省にいる患者調査によると、喘息患者は5~14歳までのお子さんがもっとも多くなっていますが、35歳あたりから、再び患者数が増えています。成人喘息の患者は想像しているよりも多いのです。小児喘息の主な原因はアレルギーですが、成人喘息になるとアレルゲン(アレルギーの元となるもの)がはっきり分からない患者が約5割(非アトピー性)となっています。
原因が特定できないと有効な治療をおこなうことができず、思うように治療がすすまないケースも。成人になると喘息を悪化させる原因がダニやペットの毛などのアレルギーだけではなく、喫煙や食生活、肥満など多岐にわたっているため、寛解させることがむずかしい面もあります。
成人喘息患者の治療に使われる治療薬は「発作を予防する薬(長期管理薬)」と「発作をとめる薬(発作治療薬)」の主に2種類です。発作を予防する薬は吸入ステロイド薬や経口ステロイド薬などいくつかの種類があります。これらの薬は気管支炎の炎症をおさえるとともに、気管支を広げる効果や新たな喘息発作が起きることを防ぐ効果も。薬の種類や量によって効果に差異があるので、医師の指示のもと適量を服用することが重要です。
喘息の高齢者が老人ホームでの生活でとくに気をつけることは、発作の原因となるアレルゲンを取りのぞくことです。ほこりやダニが気管支に入るとそれがきっかけで発作が起きることがありますので、布団や枕は清潔に、畳やじゅうたんもホコリがたまりやすいためマメな掃除が必要です。喘息の症状がでている高齢者は、できるだけ畳やじゅうたんではなく、掃除が容易なフローリングの部屋がおすすめです。花粉などもアレルゲンとして考えられるため花粉の多い季節は外に洗濯ものや布団を干さないことや、外出時にマスクを着用することなどを心がけましょう。
気管支炎の高齢者が老人ホームでの生活で気をつけたいこととは?
気管支炎は風邪やインフルエンザなどのウイルス・細菌による呼吸器感染によって引き起こされることが多い病気です。気管支炎にならないためには、まず風邪やインフルエンザの感染予防を万全に。予防接種を受けることや外出時にマスクを着用すること、帰宅後は手洗いやうがいをすることなどが有効です。インフルエンザが流行する季節には、できるだけ人ごみのなかに立ち入らないことも感染防止になります。
気管支炎と診断された場合、禁煙はまず基本です。タバコには多くの有害物質が含まれており、その煙を毎日吸っていると呼吸器内部の繊毛を傷つけます。繊毛は気管支内部に侵入した異物を押しだす役割がありますが、その機能が十分に果たせないと気管や気管支に炎症が起きるのはもちろん、異物を押しだせないため雑菌が気管支内部で繁殖しやすくなり、さらに咳や痰が激しくなります。タバコは慢性気管支炎の原因になることが指摘されており、気管支炎発症の有無にかかわらず、できるだけ禁煙を心がけることが重要です。
ほかにも栄養をしっかりとることや湿度を調整して気道にうるおいを与えることで、気管支炎の症状を悪化させない工夫ができます。気管支炎を発症している高齢者が老人ホームを選ぶ際は、上記の点を考慮した上で、以下のような老人ホームを選びましょう。
- ダニやほこりの少ない、掃除の行き届いた清潔な老人ホーム
- 館内禁煙の老人ホーム
- とくに乾燥する冬季、室温だけではなく湿度も管理が徹底している老人ホーム
- 館内での感染症予防が徹底している老人ホーム
- 看護師や医師が定期的に利用者の体調や服薬を管理してくれる老人ホーム
もしも老人ホームに入居中に「咳が長引く」ような症状がでた場合は気管支炎を発症しているのかもしれません。気管支炎であるかどうかは自己判断できませんので、必ず医療機関を受診してください。診断には胸部X線や胸部CT撮影などの検査が必要です。
診断の結果気管支炎と判断された場合、抗菌薬や痰を出しやすくする去痰剤などが処方されますが、基本的には安静にすることがおもな治療法です。十分な水分と栄養をとり、無理をしないで安静にすること。看護師が勤務する老人ホームでは、定期的にバイタルチェックをおこないますので、異常があればすぐに対応できます。気管支炎は悪化すると肺炎を発症することもありますので、医療知識のある看護師や医師が経過観察をしてくれる老人ホームを選ぶと安心です。
要支援1とは?

要支援1とは、介護保険制度の要介護度の中でも最も軽度な状態です。
食事やトイレ、身支度をはじめ、日常生活の基本的なことは他者の助けを借りなくても一人でこなせます。
しかし、調理や掃除などの家事、服薬といった一部の生活動作については、一人でできない場合があります。
自立・要支援2との違い
日常生活の基本的な動作が自力ででき、身の回りのことも一人で行える状態を「自立」といいます。
一方、「自立」以外の人で介護や介助が必要な場合があります。
中でも、自分一人で日常生活を送ることができるものの、家事や外出など一部で支援が必要な状態が「要支援」です。
要支援2は、要支援1に比べて日常生活での支援を必要とする範囲が広がります。
家事や身の回りのことを行うとき、基本的に見守りや手助けが必要です。また、立ち上がりや歩行時には支えを必要とします。

要支援1で在宅介護はできる?
要支援1の人を家族が自宅で介護することは十分に可能です。
要介護度認定のうち最も軽度な要支援1は、一人暮らしができる状態でもあるため、家族による在宅介護で暮らしているケースはよく見られます。
本人自身の力で生活の多くをこなせる状態なので、日常生活で家族による見守りや手助けが必要な場面はそれほど多くありません。
しかし、家族の介護負担を軽くするためにも、必要に応じてデイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用すると良いでしょう。
現在は特に不自由なく自宅で暮らしていても、心身機能の衰えや病気や怪我などをきっかけに、要介護度が高くなる可能性も考えられます。
したがって、要支援1は在宅での介護が十分に可能な状態ですが、「一人の時間帯が長く、体調の急変時が心配」「家族が遠方で暮らしていて、将来が不安」といった声は少なくありません。
安心して暮らすために、老人ホームに入居するのもおすすめです。
要支援1で入居できる老人ホームは?

元気なうちに老人ホームへの入居を早めに考えておきたい場合、要支援1でも老人ホームによっては入居が可能です。
ただし、老人ホームによっては要介護以上の方でないと入居ができない場合もあるため、老人ホームごとに調べる必要があります。
要支援1でも入居ができる老人ホームは、「サ高住」や「ケアハウス」がオススメです。
サ高住
サービス付き高齢者向け住宅、略してサ高住(さこうじゅう)は、民間が運営するシニア向けの賃貸マンションです。
単身の高齢者や夫婦が安心して暮らせる環境が整備されています。
サ高住の大きな特徴は、バリアフリー設計とシニアに配慮したサービスです。
居室にはトイレや浴室、キッチンが用意されていて、移動しやすいように段差がなく手すりを設置しています。
また、廊下の幅も広いので、入居者がゆったり行き交うことが可能です。また、館内にはスタッフが常駐していて、見守りサービスや生活相談を受け付けています。
緊急時対応もしてくれるので、体調の急変時にも安心です。
また、介護や介助が必要な方は、外部の介護事業者と契約しましょう。
介護保険サービスの訪問介護やデイサービスなどを必要に応じて利用できます。
暮らしやすい生活環境とスタッフの行き届いたサポートによって、自宅で暮らしているような感覚で生活が送れます。
サ高住は実際に、自立の方をはじめ要支援や要介護1・2といった比較的要介護度の低い方が多く暮らしている老人ホームです。
ケアハウス
ケアハウスは、家族との同居が難しい高齢者が自治体の助成を受けて利用するのが特徴です。
要支援1で一人暮らしに不安のある高齢者には、「一般型(自立型)」と呼ばれるタイプがおすすめです。
一般型のポイントは、「自立状態であること」「介護が必要になったときは外部の介護事業者と契約して介護サービスが受けられること」の2つです。
主に訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを利用しながら生活をします。
ケアハウスのメリットは、初期費用が安く抑えられることです。
一般型の場合、保証金として入居時に30万円程度がかかります。また、月額費用の目安は7万〜13万円程度です。なかには、初期費用のないケースもあるなど、初期費用にまとまった金額がかかる民間の有料老人ホームと比較して経済的な負担が軽く済みます。