医療ケアに手厚いエリアで、認知症高齢者も安心の支援あり

三浦半島の付け根のあたりに位置する、三浦郡。
現在は半島の西側のごく自治部を占めるだけになりましたが、かつては名前の由来になっている三浦半島のほぼ全域を占める広大な行政区画でした。
三浦市のほか、横須賀市や逗子市の全域が含まれており、神奈川県内で見ても強烈なインパクトを持つ自治体だったのです。
近隣の他の自治体との合併ないし市制への移行が行われれば郡としての歴史に終わりを告げることになりますが、現在の1町体制になってからすでに半世紀を超える年月が経っており、まだ三浦郡の名前は当分の間残る可能性があります。
昨今の三浦郡羽山町では、高齢化率が20%をゆうに超えており、高齢者福祉の必要性は町内全体で強く認識されている問題のひとつです。
高齢者数や要介護認定者数の増加については、1年に数十名~数百名程度のペースにとどまっており、強い懸念を覚える必要があるわけではありません。
それでも、郡内では地域包括支援センターなどを中心にして、医療と密接なネットワークを築きながらケアシステムの構築に取り組んでいます。
その活動がよく表れている例として、「徘徊高齢者SOSネットワーク」をはじめとした認知症高齢者へのサポートシステムの確立があります。
もともと三浦郡葉山町はシニア世代対象のサービス事業の支援に熱心です(「ねんりんふれあいの集い事業」といった活動が、その格好のサンプルとなるでしょう)。
また、高齢者の世話をする家族などへのサポートにも忘れることなく温かな視線を注いでいることも評価に値するでしょう。
「家族介護者の集い」あるいは「家庭介護教室」といった企画を立てて実行にさかんに移していますが、年老いた家族への介護について不安なことがある向きにはまさにぴったりのイベントとして重宝されています。
介護事業の徹底化に関して日々奮闘しているイメージが強い三浦郡葉山町ですが、現在は面積が広い自治体ではありません。
それは裏を返せば、施設の数や種類についてはおのずから制限が生まれるということでもあります。
老人保健施設や特別養護老人ホームといった公的な介護施設の数も、それほど多いとはいえません。
それでも申請を早めに出しておけば、順番が回ってくるチャンスは増えますし、民間事業者の手掛ける施設が着々とオープンしています。
「小規模多機能型居宅介護」などのサービスを併設しているところも増えていますから、うまく利用してどんな施設なのか体感するのがベターでしょう。