仙台のベッドタウンとして暮らしやすさに優れた多賀城市

宮城県の東部は太平洋に面した海岸線がずっと伸びています。
その東側の中央部に多賀城市は位置しています。
もっとも市内はほとんど海に接していませんが。
ただし海に近く、また東北地方の中枢の務めを果たす仙台市に隣接していることから、戦前から独特の工業化が進んでいました。
現在は特に仙台市との結びつきが強くなっており、重要なベッドタウンのひとつとしての地位を確立しました。
市民の4割強が仙台市に毎日通勤していることが、数年前の調査で明らかにされています。
市内には特に開けた繁華街がないとときたま指摘されることがありますが、その分商業施設などが分散しており、手近な範囲であらゆる用件を済ませやすいという利点を持っている都市となっています。
ロケーションの影響から、東北地方の中ではかなり鉄道インフラに恵まれている都市に入ります。
JRの東北本線や仙石線ですばやく移動が可能なほか、仙台臨海鉄道の臨海本線を使うこともできます。
道路環境については、広大な都市ではないため本数は少なめですが、三陸自動車道や国道45号線を使うとどこへ行くにしても便利です。
市内のバス事情は、ミヤコーバスの存在感が強いです。
しかし仙塩交通が運行している「多賀城西武線」や、ジャパン交通が受託されている「ぐるりんこ」といったローカル色の強い路線も存在します。
市内の人口は、1990年代以降は増加の勢いが失速しています。
この10年間はほとんど変化がありませんでしたが、微減という結果になる年も出てくるようになっています。
しかし長年の人口増のありがたみはまだ蓄積されており、市内の高齢化率は2023年では25.6%と県内の平均値よりやや低い結果が出ています。
高齢者の人口に対して市内の介護施設は数が多いわけではありません。
しかしそれは、もともと小規模な都市であることが主因で、特に市当局が高齢者介護に関して遅れをとっているわけではありません。
大都市に近いベッドタウンという特徴を考慮した場合、むしろ入居費用が割安な施設が少なくない模様です。
現在の市内で活発さを増しているのはグループホームとサービス付き高齢者向け住宅で、その次が介護付き有料老人ホームでしょう。
入居一時金などが原則として加算されない施設がこれらの中には何軒も含まれています。
実際に足を運んで、暮らしぶりも確認することが推奨されます。