東播磨地方の中心地。豊富な人材を武器とする洗練された都市

兵庫県の南端は瀬戸内海に面しています。
そのほぼ中央に位置するのが加古川市。
県内で見ると決して面積の広い自治体とはいえません。
しかし、播磨平野の中にあって平坦な土地が多い点や、神戸をはじめとした東側にある重要な市街地に向かいやすいという立地上の長所、そして瀬戸内海式の穏やかな気候などの理由から、古来より人々が四方から行き交う場所として発展が絶えませんでした。
戦後は、神戸市や姫路市、さらには大阪市のベッドタウンという役割を多くになってきたほか、重化学工業で多大な業績を上げる都市として成功を遂げてきました。
現在の市内は、工業・商業・サービス業などがひしめき合っている南部と、農地や緑地がまだ多く残る北部のコントラストが印象的です。
また、ウォーキングでは日本指折りのイベントに成長した「加古川ツーデーマーチ」の開催で、毎年おおぜいの参加者を動員しており、市の新しいトレードマークになりつつあります。
加古川市民は毎日、JRの神戸線や加古川線に揺られて通勤・通学をしています。
これらの路線がいちばんメジャーな交通インフラかもしれません。
もっとも、山陽電気鉄道の本線が通っており、愛用者をたくさん集めていることは軽視できませんが。
自動車による往来に視線を移すと、アジアハイウェイ1号線や山陽自動車道のインパクトの強さがまず目に入ってきます。
それから、東播磨南北道路の存在を失念してはいけないでしょう。
バスの種類は意外と少なめですが、神姫バスとコミュニティバス(かこバス)が確固とした地位を築いているため、市内のたいていの場所には楽々と出かけられます。
市内の人口は、ひと昔前まで激しいスピードで増えてばかりでした。
そのスピードが低下しはじめたのは20世紀の終わりに近づいたころ。
21世紀に入ると、微増ないし微減を繰り返すようになり、この10数年は結果としてほとんど変わっていません。
人の流入が激しかった時代の好影響がまだ残っており、2023年の人口は25万9,884人、高齢化率28.4%となっています。
いずれも、県全体の平均値や国全体のそれと比べてだいぶ有利な数値でした。
市としての規模を考えると、介護施設の数や種類について「まだ物足りない」と感じる向きもいるようですが、幸いなことにこの10年くらいでだいぶ施設の質や戸数は改善されてきました。
グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅・介護付き有料老人ホームが今は人気上昇中の様子です。