学生が歩く姿をよく見かける町が、いつしか介護施設の宝庫に

実際に駅の近くを歩き回ると、女子学生を中心に10代や二十歳前後の若い乗客を頻繁に見かけます。このような背景がある都合上、門戸厄神駅の利用率はとても安定的です。特に平日は多く、平日1日あたりの乗降客数はだいぶ前から一貫して20000人以上をマークしています。
駅の周辺に暮らす学生が少なくないことから、高齢者にとってもそれなりに利用しやすい施設が各種そろっています。また、西宮市立中央病院がある場所のため、医療関係の相談をしたいときは遠くの病院を目指す必要がありません。そして門戸厄神東光寺という由緒正しい寺社仏閣があります。実際に散歩などをする高齢者は少なからずいる模様です。門戸厄神駅は、阪急今津線の終点寄りに位置する駅です。
すぐ隣が終着駅である西宮北口駅で、ここを経由して神戸本線や今津南線に乗り移れますが、直通運転が前者については行われています(梅田駅まで行く路線に乗れば、大阪市中心部などへの旅程もとてもスピーディーで快適なものになるでしょう)。
今津南線は、僅か3つしか駅がありませんが、さいはてにある駅は今津駅。この駅は阪神電鉄の本線と接続しており、この場所を介してまたいろいろな場所に直行できるようになっています。
門戸厄神駅とその周辺に対して、あまり高齢者がよく住み着く場所ではないというイメージが持たれることがあります。同じ西宮市の住民からすら、そのような意見が飛び出すことが珍しくありません。確かに、介護施設の軒数などのデータばかりを見るなら、そのような印象につながっても不思議ではないでしょう。しかし、駅から1キロ圏内といったかなりの近所にいくつもの施設が建てられているという点は、もっと評価されていいはずです。
特に、認知症を患っているなどグループホームへの入居条件を満たせる高齢者の場合なら、門戸厄神駅の周囲はなかなか終の棲家としてふさわしいのではないでしょうか。グループホーム以外について探ると、住宅型有料老人ホームの進出が続いています。グループホームに匹敵するくらいの格安料金で契約できるところもあるほどです。いずれの施設も、あまり駅から遠くない場所にあるという点では共通していますから、見学をするにしても疲れないという長所がありそうです。