高級住宅街のイメージが強いものの、介護施設は低額で利用できるところがたくさん

それらの施設はその後消滅に向かいますが、代わりに資産家や知識人が住まいをこの場所に建てるようになり、いつの間にか高級住宅地として名をはせるようになりました。「甲陽園」は「西宮七園」のひとつに含まれるようになり、今もこの駅の近くに住むことは、非常に価値のある行為と捉えられています。甲陽園駅自体も、2003年に「近畿の駅百選」に含められたという輝かしい記録を持っています。
駅の利用率は、21世紀に入ってから減った時期と増えた時期が交互に来ています。2006年には1日あたりの乗客数が6000人を割りましたが、翌年から回復傾向を見せはじめました。しかし2010年にまた減少に転じ、6000人をもう少しで下回りそうな規模に落ち込んでいます。
甲陽線は短い路線ですから、乗り換えを希望するなら夙川駅で降りて神戸本線に移る必要があります。その次の西宮北口駅をはじめ、岡本駅や塚口駅と、さらに乗り換えが可能となる駅がすぐに出てくるため、交通面ではわりと恵まれています。なお、バスで市内を移動したいときは阪神バスを利用するとよいでしょう。西宮山手線が運行する地域にあてはまりますから、近所を回りたいときに便利です。
西宮市は高齢化率がまだ低いエリアだと考えられています。そして自宅での介護を希望する高齢者が多いのかもしれませんが、老人ホームや高齢者専用住宅の数が不足気味だとよく噂されています。施設の種類には多様性があるのですが、定員数が限られている施設がかなり多く、介護が必要な高齢者全員に必要なケアサービスを提供できているとはいいがたい状況です。
ただし、甲陽園駅を基点にして施設を探すと、実にいろいろな施設に出くわせます。費用があまりかからない施設からデラックスで月額使用料ないし入居一時金がとても高額な施設まで、好みに合わせて選べる余地があります。高級住宅地のイメージが強いエリアですが、あまり予算にゆとりがない場合でも満足できる施設を発見できる土地柄なのです。
また官民双方に、施設の新設や拡大を意図したプランが現在進められていることも、ここに付け加えておいたほうがよいでしょう。ケアハウスなどは、実際に少し待てばよく整備された素晴らしい施設がオープンしそうです。