月10万円前後で利用できるサ高住などリーズナブルな介護施設が豊富

長野県の東端に所在し、東信地方の中心的な地位を築いている佐久市。
古くから宿場町・陣屋町として、近隣はもちろんのこと遠方からの訪問者をも、頻繁に招きよせてきたエリアです。
しかし特に大きな都市ではなく、また手つかずの自然や農地が多くみられる土地でもあり、1970年代までには、特に人がよく集まるエリアというわけではありませんでした。
しかしその後、上信越自動車道と長野新幹線が開通したことで状況は一変します。
東京のようなかなり距離のある場所からも1時間~数時間程度で来られるようになったため、急に人の流入が激化したのです。
商業施設もそれに比例するように急増し、東信地方全域で見ても特に便利な地区まで誕生しています。
開発が進む地域がある一方で、農地や人の手が入っていない自然が残っており、シルバー世代の居住地としても向いているといってよいでしょう。
市内の人口は、1970年代も緩やかに伸びていましたが、1980年代以降はその伸び方に弾みが付きました。
2000年には10万人都市の仲間入りを果たしたことが明らかになりましたが、その後は増加率がまたゆるやかに戻っています。
2023年には人口9万8,198人と10万には割ってしまいましたが現在も多くの住民が住む都市です。同年の高齢化率は31.0%でした。
これは長野県全体の32.1%と比べれば低いものの、全国平均値より高い水準です。
長期的な対策を講じる必要を強く感じさせる結果となりました。
市内の要介護認定者は2024年には4,667人と4,500人を超えました。
特に要支援者の前年度からの増加率が目立ちました。
佐久市は、こういった状況を以前から真剣に捉えており、数多くの事業を実施に移すかたわら、ケアサービス関係の資料をかなり熱心に発行して情報発信に努めています。
グループホームの利用者数といった細かなデータであっても、市民に正確に伝える努力を怠りません。
特別養護老人ホームや老人保健施設といった、行政が介入する施設に関しては、佐久市はかなり数が増えています。
ただし、民間の施設に関してはまたそれほどではない模様です。
特に介護付き有料老人ホームは不足気味で、将来的な建造に期待をかけたいところです。
しかし住宅型有料老人ホームはけっこうな数がオープンしています。
その費用も、月々の支払いが10万円台、安ければ10万円未満で済むなど、リーズナブルな施設が目立ちます。
また、サービス付き高齢者向け住宅も徐々に数を増やしています。