関節症・リウマチでも対応が可能な施設特集
関節症・リウマチ患者は適切な運動ができる生活を

老化により、軟骨がすり減ることで関節が変形することによって起こるのが変形性関節症。また、免疫の仕組みに異常が生じることで起こる、慢性的な間接の炎症による痛みのある関節リウマチも併せて、痛みを悪化させないようにしながら適度に運動をすることで筋力が衰えないようにすることも大切です。だからこそ関節症・リウマチ患者の方は、体の症状に合わせた適切な運動プログラムに取り組める体制を整えた介護施設を選ぶことがおすすめです。
リウマチ・関節症の高齢者の老人ホーム選びについて
リウマチ・関節症は高齢者に多い病気のイメージがありますが、40~60代に発症のピークがみられます。男性よりも女性の方が約3倍も発症率が高いといれています。40~60代の女性はとくに注意してください。「若いから大丈夫」とは必ずしも言えません。
リウマチ・関節症は関節の内部にある滑膜(かつまく)で炎症がおこることで発症すると考えられています。自己免疫疾患の一種で、本来自分の体を守るべき免疫が、なんらかの理由で自分自身の正常な細胞まで攻撃、破壊することで起こります。病気の正確な原因はわかっていないため、残念ながら完全な予防法はありません。
病気の症状としては、初期のうちに食欲不振、熱っぽさ、体のだるさなどを感じ、さらに体がこわばって、動かしづらさを覚えるようになります。体に力が入りにくいことも。ただ体を動かしているうちに、動かしづらさが消えるなどの症状がでると、リウマチ・関節症の初期症状である可能性が高くなります。その後、関節リウマチ独自の症状が出始めます。指や手首などの関節に腫れ(炎症)やこわばり、痛みが。最初は小さな関節の痛みから始まり、だんだん全身へと炎症や痛みがひろがっていきます。
リウマチ・関節症の高齢者が老人ホームに入所する際には、老人ホーム側が病気に対してしっかり対応できるかどうかのチェックが重要です。みんなの介護に掲載されている老人ホームは約9,000施設ですが、そのうち5,822の施設でリウマチ・関節症高齢者の受け入れが可能となっています。施設の特徴をよくみると、日中看護師常駐・理学療法士勤務・24時間介護士常駐・作業療法士勤務など医療面のケア、リハビリケアの行き届いた老人ホームも少なくありません。老人ホームの種類としては住宅型有料老人ホーム、介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、高齢者住宅など。なぜ医療面やリハビリの充実した老人ホームが多いのでしょうか?
リウマチ・関節症の患者は、無理のない範囲で体を動かし、固まった関節や筋肉をほぐす運動をおこなう必要があります。関節が固くなったからそのままで良い、というわけではないのです。理学療法士が勤務する老人ホームなら、定期的に関節をやわらかくする運動指導や補助、ストレッチなどの指導をうけることができます。
リウマチ・関節症の患者は体が冷えると痛みが増すため、温熱療法でしっかり対応してくれると体も楽になります。リウマチ・関節症は介護保険制度を利用できるので、積極的に利用しましょう。リハビリが強化された老人ホームはリウマチ・関節症の高齢者受け入れが可能ですし、実際に入所しても満足感が高いもの。老人ホームへ入所を希望するときは、リハビリがどれくらい充実しているのかをチェックしましょう。
リウマチ・関節症とは?原因・症状・治療法・後遺症について
前項でも少しふれましたが、リウマチ・関節症の原因ははっきりとわかっていません。この病気の原因としては免疫異常が考えられていますが、どのような原因で自己免疫系に異常がおこるのかはわかっていないのです。原因が特定できないため、効果的な予防法や根本的な治療法がないのが現状です。これは認知症などでも同じことです。
リウマチ・関節症の症状は手足の指の関節、手首の関節など小さな関節が腫れる、こわばる、痛いなどの症状からはじまり、膝関節や頸椎、肘関節、股関節、顎関節など全身に炎症や痛みがひろがっていきます。なかには突然、膝関節の痛みや炎症から病気がはじまる事例も。初期には熱っぽさや体のだるさ、食欲不振などの症状がでます。「いつもと体調が違う」と思ったら、無理をせずにしばらく様子をみましょう。
病気を発症しても放置してしまうと、炎症やこわばりが全身の関節にひろがるだけに留まりません。関節炎の痛みだけではなく関節が破壊されるため、血流が悪くなることによる痛みや筋肉痛も加わることに。関節炎や筋肉の痛みで体を動かさないようになると、次第に筋力が衰え、日常生活に支障がでます。関節の痛みだけではなく、全身のだるさや疲労感、微熱などの症状がつづき、体調不良に。食欲不振になると脱水症状や低栄養の状態に注意しなければなりません。
関節の炎症だけではなく、目や肺、血管、などに炎症が起こることも。目の炎症は痛みや視力低下などの症状があらわれ、同じく自己免疫疾患のシェーグレン症候群を併発すると、目が乾いてかゆみを感じます。肺の血管に炎症が起こると胸膜炎や間質性肺炎を引きおこすことも。血管が炎症を起こすと、体全体に酸素や栄養素を補給することがむずかしくなり、臓器が全体的にダメージを負います。自己免疫疾患のためなかなか完治させることができず、悪性関節リウマチとなり難病指定されています。
リウマチ・関節症の治療法としては薬物療法が中心となります。さらにリハビリテーションや症状の重い方は手術による治療も。薬物療法では関節の炎症をおさえる「抗炎症剤」を服用することで痛みを軽減させます。ただし副作用として胃腸障害や不眠、血圧上昇、食欲不振、だるさなどの症状がみられることも。異常を感じた場合はすぐに医師に相談しましょう。薬物治療にはほかにも「抗リウマチ剤」や「生物学的製剤」などがあります。
病気の治療には薬物療法だけではなく、リハビリテーションも併用されます。関節の痛みやこわばりにより体を動かさなくなると、筋力の衰えや委縮により機能低下を起こし、体が動かなくなってしまいます。機能低下を防ぐためにも、リハビリで無理なく体を動かし、関節の可動域をひろげ筋力の維持をはかります。このリハビリテーションには運動療法はもちろん、物理療法や作業療法、装具療法などがあり、患者の痛みをとり、スムーズな日常生活を支援するためのものとなっています。
リウマチ・関節症は一度発症し、関節や骨、靭帯にダメージを負うと、その状態が元にもどらない不可逆性の病気です。そのため素早い診断・治療が必要となります。病気の後遺症としては、関節の痛み、関節の可動域の制限、変形などがあげられます。リハビリ(運老療法や物理療法・作業療法)で関節の可動域をひろげ、筋力の低下をふせぐことでできるだけスムーズな日常生活、自立した生活をめざします。
リウマチ・関節症の方の施設選びのポイント
リウマチ・関節症は若い方でも発症する可能性が高く「高齢者特有の病気」ではありません。リウマチ・関節症は症状がすすまないうちに診断を受け、早いうちから治療を開始することで進行を最小限に防ぐ。これが最良の対策となります。
リウマチ・関節症の高齢者が老人ホームを選ぶときのポイントは、やはりリハビリが充実しているかどうか。理学療法士など専門の指導員が常駐し、適切な運動リハビリや物理療法が受けられる施設を選ぶことです。リウマチ・関節症の患者は起き上がれないほどの痛みを感じることもあり、痛みの緩和として温熱療法やマッサージを施してくれる老人ホームを選ぶと体がかなり楽になります。温熱療法だけではなく、炎症が激しいときは冷却療法が効果的であると言われています。患者の体の状況にあわせて、さまざまな療法をつかいわけてくれる老人ホームを選びましょう。
老人ホームでは運動療法や物理療法だけではなく、作業療法を提供している施設も。リウマチ・関節症の患者は手指の関節にも炎症が起き、上手く動かせなくなることも少なくありません。そこで作業療法士の指導をうけながら、絵手紙や絵画、書道、編み物、手芸、木工、竹細工など指先をつかうリハビリをおこないます。一人で作業をするのではなく、ほかの入所者と一緒に作業をするので孤独感を覚えにくく、楽しく作業ができるのがメリット。リウマチ・関節症の高齢者が老人ホームを選ぶときには、リハビリの充実度、そして医療体制がどこまでしっかりしているのかも確認しましょう。
みんなの介護では約9、000もの介護施設が紹介されていますが、そのうち体験入居が可能な物件は5,822か所となっています。全体の約8割以上の老人ホームで体験入居に応じてもらえます。気になる施設が見つかったときは、遠慮なく体験入居を申しこんでみましょう。
要支援1とは?

要支援1とは、介護保険制度の要介護度の中でも最も軽度な状態です。
食事やトイレ、身支度をはじめ、日常生活の基本的なことは他者の助けを借りなくても一人でこなせます。
しかし、調理や掃除などの家事、服薬といった一部の生活動作については、一人でできない場合があります。
自立・要支援2との違い
日常生活の基本的な動作が自力ででき、身の回りのことも一人で行える状態を「自立」といいます。
一方、「自立」以外の人で介護や介助が必要な場合があります。
中でも、自分一人で日常生活を送ることができるものの、家事や外出など一部で支援が必要な状態が「要支援」です。
要支援2は、要支援1に比べて日常生活での支援を必要とする範囲が広がります。
家事や身の回りのことを行うとき、基本的に見守りや手助けが必要です。また、立ち上がりや歩行時には支えを必要とします。

要支援1で在宅介護はできる?
要支援1の人を家族が自宅で介護することは十分に可能です。
要介護度認定のうち最も軽度な要支援1は、一人暮らしができる状態でもあるため、家族による在宅介護で暮らしているケースはよく見られます。
本人自身の力で生活の多くをこなせる状態なので、日常生活で家族による見守りや手助けが必要な場面はそれほど多くありません。
しかし、家族の介護負担を軽くするためにも、必要に応じてデイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用すると良いでしょう。
現在は特に不自由なく自宅で暮らしていても、心身機能の衰えや病気や怪我などをきっかけに、要介護度が高くなる可能性も考えられます。
したがって、要支援1は在宅での介護が十分に可能な状態ですが、「一人の時間帯が長く、体調の急変時が心配」「家族が遠方で暮らしていて、将来が不安」といった声は少なくありません。
安心して暮らすために、老人ホームに入居するのもおすすめです。
要支援1で入居できる老人ホームは?

元気なうちに老人ホームへの入居を早めに考えておきたい場合、要支援1でも老人ホームによっては入居が可能です。
ただし、老人ホームによっては要介護以上の方でないと入居ができない場合もあるため、老人ホームごとに調べる必要があります。
要支援1でも入居ができる老人ホームは、「サ高住」や「ケアハウス」がオススメです。
サ高住
サービス付き高齢者向け住宅、略してサ高住(さこうじゅう)は、民間が運営するシニア向けの賃貸マンションです。
単身の高齢者や夫婦が安心して暮らせる環境が整備されています。
サ高住の大きな特徴は、バリアフリー設計とシニアに配慮したサービスです。
居室にはトイレや浴室、キッチンが用意されていて、移動しやすいように段差がなく手すりを設置しています。
また、廊下の幅も広いので、入居者がゆったり行き交うことが可能です。また、館内にはスタッフが常駐していて、見守りサービスや生活相談を受け付けています。
緊急時対応もしてくれるので、体調の急変時にも安心です。
また、介護や介助が必要な方は、外部の介護事業者と契約しましょう。
介護保険サービスの訪問介護やデイサービスなどを必要に応じて利用できます。
暮らしやすい生活環境とスタッフの行き届いたサポートによって、自宅で暮らしているような感覚で生活が送れます。
サ高住は実際に、自立の方をはじめ要支援や要介護1・2といった比較的要介護度の低い方が多く暮らしている老人ホームです。
ケアハウス
ケアハウスは、家族との同居が難しい高齢者が自治体の助成を受けて利用するのが特徴です。
要支援1で一人暮らしに不安のある高齢者には、「一般型(自立型)」と呼ばれるタイプがおすすめです。
一般型のポイントは、「自立状態であること」「介護が必要になったときは外部の介護事業者と契約して介護サービスが受けられること」の2つです。
主に訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを利用しながら生活をします。
ケアハウスのメリットは、初期費用が安く抑えられることです。
一般型の場合、保証金として入居時に30万円程度がかかります。また、月額費用の目安は7万〜13万円程度です。なかには、初期費用のないケースもあるなど、初期費用にまとまった金額がかかる民間の有料老人ホームと比較して経済的な負担が軽く済みます。