外出自由の施設特集

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどの介護施設では、基本的に外出を制限されることはないと考えて良いでしょう。介護施設の基本には「高齢者の尊厳を大切にする」という概念があるからです。
認知症の方や障がいのある方に外出の制限を設けている施設も中にはありますが、基本的に外出は自由です。事前に申告をしておけば、施設スタッフによる付き添いが可能な場合もあるので、入居前に確認しておくと良いでしょう。
外出時の移動手段

老人ホームでは、外出や外泊の許可を取っておけば、一時的な帰宅や家族との旅行などが可能です。しかし、外出や外泊をする際にネックとなるのが「移動手段」でしょう。バスや電車を使うことが厳しい場合は、老人ホームに相談しておくことで介護タクシーを予約・利用することができます。
介護タクシーは要介護者や障がい者の移送に特化していますので、乗り降りなどを手伝ってもらえ、車椅子でも利用できるのが魅力。快適に外出することができます。ただし、利用目的によっては介護保険が適用されないことも。その場合は全額負担となり、少々利用料が高くなってしまいます。
付き添いを頼める家族がいない場合は、ドライブヘルパーなどに頼むと良いでしょう。介護タクシーやドライブヘルパーなどは有料サービスですが、たまの外出は気分転換にもなりますし、QOL(生活の質)を向上させることにも繋がります。
外出の際に注意するポイント

外出・外泊時に注意すべきポイントはいくつかあります。外出中にトラブルが起きないようにするためにも、しっかりとチェックしておくと安心です。
1.出先に医療機関はあるか
家族で旅行なども可能ですが、「外出・外泊先でもしものことがあった場合、受け入れてくれる医療機関があるか?」を確認しておくと安心です。服薬に関しても、付き添いの人が薬を預かったりするなどの管理も必要でしょう。
2.心身に負担はかからないか
あまり無理をし過ぎると体調を崩し、入院にも繋がりかねません。入院が長引くと退去勧告がなされる老人ホームもありますので、体調を崩さないよう、スローペースで「のんびり楽しい外出」を心がけることも重要です。
3.食事の要否を申告したか
あらかじめ「外出して昼・夜ご飯は外食するので2食いりません」といった申告をしておく必要があります。老人ホームによっては「○日前までに申告」といったルールがありますので、ルールに従って申告しておきましょう。申告をし忘れると、食べていない分の食事代も支払うことになります。
外泊ができないケースもある…。それってどんなとき?
多くの老人ホームでは事前申請が許可されることで、自宅への一時帰宅や家族との旅行などを楽しむことができます。しかし、いくつかのケースでは外泊許可が降りない場合もあるようです。
まず、家族の付き添いがない場合。「一人旅行」などは安全が確保できないので許可が下りません。付き添いを頼める家族がいない場合は、ドライブヘルパーさんなどに頼むと良いでしょう。
認知症の場合も難しいようです。人にもよりますが、環境が変わると興奮状態になり、その後大きく体調を崩す場合もあるため、ホーム側が外泊許可を出さないことが多いのです。自宅に連れて帰る場合などは老人ホームのスタッフをしっかりと話し合っておく必要があります。
また、たん吸引や酸素マスクなど、高度な医療サポートが必要な場合では自宅での対応が難しく、外泊許可が下りにくいのが現状です。
そして、外泊の希望期間が長期の場合。1泊2日ぐらいであれば許可が出やすいのですが、「2週間ほど温泉施設に泊まってくる」といった長期外泊はNGという施設はやはり多い傾向です。ホームによっては外泊日数が決まっている所もありますので、事前に相談するのがベストです。