小都市でありながら、介護施設の建設ラッシュで充実

奈良県の北西、角に該当する部分を占める小都市、生駒市。
生駒山地や矢田丘陵に挟まれた山間の町です。
生駒山とその周辺のダイナミックな自然にまつわる壮大なパノラマがおおぜいの観光客を動員しています。
山がちな地形でありながら、宝山寺を中心とした門前町が江戸時代のころからおおいににぎわった歴史を持っており、現在まで独特の繁栄を遂げてきました。
戦後は宅地開発が急速に進んでおり、平坦ではない土地にも多数の宅地や商業地が造成されています。
大阪府と隣接することから、大阪市をはじめ府内に通勤・通学をする住民の比率が現在は非常に高く、大阪の経済発展に陰ながら多大なる寄与をしてきたエリアです。
市内の鉄道事情です。
近畿日本鉄道が数種類の路線を走らせています。
奈良線・生駒線・けいはんな線・生駒鋼索線と選択肢が多く、いかに生駒市と大阪府の結びつきが強いかがよくわかります。
また市内の幹線道路の数は10本を超えています。
第二阪奈有料道路や信貴生駒スカイラインは、特にわかりやすい場所にあるため利用頻度は高いでしょう。
バスに関しては、奈良交通と京阪バスが有力なサービス元ですが、独自のコミュニティバスである「たけまる号」のステイタスも高いものがあります。
市内の人口増加は、ベッドタウンという側面が強い都市だったためかつては非常に高めでした。1970~80年代の伸び方は特にすさまじく、20年間で2.5倍を超える成長率が観測されているほど。
しかし20世紀が終わると以前よりだいぶ伸び方がゆっくりとするようになりました。
2023年の調査では人口11万7,946人、高齢化率29.1%となっています。
人口バランスをうまく制御しながら、高齢者福祉の手はずを整えていくことが求められます。
その動きは当然のことながら、とっくの昔にはじまっていますが、今その成果をはっきりと確認できるのは、各種高齢者専用住宅かもしれません。
生駒市は小都市であるにもかかわらず、高齢者住宅やサービス付き高齢者向け住宅など、一連の施設の建設が相次いでいるのです。
施設の条件にはばらつきが多いですが、どんな世帯でも入居を検討しやすい施設をすでに発見できます。
それから住宅型有料老人ホームや介護付き有料老人ホーム(特に前者は、入居費用が安く設定されている施設が今まさに登場しているところです)に関しても、長年の福祉政策を研究してきた成果が感じ取れます。