海水浴場や港湾の近く。のどかで健康的な生活に期待

夏になると、加太海水浴場にはレジャー客がおおぜい詰めかけます。「和歌山市立少年自然の家」に訪れる子供も少なくありません。加太港からは、友ヶ島に通うための船舶が出港しています。古くから残る神社(淡嶋神社・加太春日神社)なども残っており、都会の騒々しさに飽きている高齢者には特におすすめできる土地柄です。
外れにある駅の場合、どこの土地でもタクシーやバス会社がサービスの拡大に努めている傾向がありますが、加太駅もそのひとつ。バス乗り場に路線を提供する事業者は和歌山バスだけですが、サービス状況に落ち度などはいっさいありません。タクシー乗り場も使いやすく、呼び出したときなどは手早く駆けつけてくれます。
加太線は、駅数が少なくて短い路線です。乗り換え場所がほしいときは、発着駅の和歌山市方面に出向く必要があります。和歌山市駅では、和歌山港線のほかJRの紀勢本線に乗り換えできます。そのひとつ手前にある紀ノ川駅では、南海本線に乗り換えて難波方面を目指せます。大阪方面など遠方の地に用件ができたときは、これらの駅の世話になることが多いはずです。
加太駅の利用率は、前世紀と比べると格段に低下しています。1日平均の乗降客数を割り出すと、近年は高度経済成長~バブル経済の時代などと比べて三分の一~四分の一くらいしかないという意見が出ているほど。それでも1990年代から2000年代にかけては1000人以上をキープしていたものの、2004年にとうとう1000人未満を記録しました。しかし需要がなくなることは考えられませんし、実際に加太駅を頼りにしている住民は駅周辺に点在します。
加太駅の周辺でも高齢化の問題は他人事ではありません。とはいえ介護施設などの建設は複雑な事情が絡んできたために推進されてきたとは言えない時代がありました。その事情が少しずつ変わっているのがこの数年の傾向なのですが、まだ駅から近い場所で施設を見つけることは簡単ではありません。
早い段階から、駅から10キロくらい離れた場所をターゲットに含めることが大事ですし、場合によっては20~30キロくらい離れたところにも目を向けるようにしたほうが賢明でしょう。幸いなことに、費用の点や入居スペースの点などについては実際の入居者から好意的な声が聞こえてくることが多いです。