拝島大師のお膝元。乗れる路線が多いのに自然環境も充実

特に、かつては全長100メートルを優に超える踏切が存在し、足取りの遅い高齢者にとっては使いやすいものではありませんでした。そのリスクが一気に解消されたことで、拝島駅周辺の散策は大幅に安全で快適なものに変わりました。
拝島駅の目の前でバスに乗ることはできませんが、停留所の位置は決して遠くはありません。西東京バス・立川バスなどが運行を担当しています。近隣はもともと幹線道路に囲まれたエリアで、国道16号線・都道7号線・164号線などを利用すれば遠くへのドライブは簡単です。
拝島駅は、JRの路線が3本乗り入れています。青梅線については、発着駅である立川駅まで近距離であることがメリットでしょう。五日市線は短い路線ですが、昭島市と福生市、そしてあきる野市の各地に行くときに便利です。八高線は、JR線や京王線への乗り継ぎよく使われます。八王子駅までわずか3駅しか離れていません。
そして拝島駅には西武拝島線の終着駅という役目があります。西武新宿線を利用するために小平駅まで乗る人が多そうですが、その手前にある小川駅(国分寺線に接続)や萩山駅(多摩湖線に接続)で降車する人もそれなりにいるだろうと思われます。
拝島駅は昭島市と福生市の交通の要と考えられます。そのため利用率や収益の状況は悪いものではありません。1日あたりの乗客数をチェックすると、JR側は20年以上前から25000~30000人の間で上下しています。ちなみに同じデータを西武鉄道側で調べると、14000~17000人程度で上下していることがわかります。
拝島駅の周囲は、いろいろな工事が近年行われたことや、戦後ずっと在日米軍の用地があることなどが原因で、介護施設などを建てにくいという事情がある様子です。そのため数キロ離れた場所、場合によっては5キロ以上離れた場所まで足を伸ばす必要が出てきます。
ただしその点は裏を返せば、日当たりや眺めなどの条件が素晴らしくすぐれているという長所につながります。都会の喧騒を忘れて暮らしたい高齢者にはぴったりではないでしょうか。バスやタクシー、マイカーなどを使えば駅にもよその場所にも簡単に行けますから、実際に暮らしはじめるとあまり不便は感じないという声がたまに聞こえてきます。