ペースメーカーの対応が可能な施設特集
ほとんどの介護施設で受け入れOK。選択肢は多数!

ペースメーカーとは、簡単に言えば心臓を正常に動かす装置。心臓に電気刺激を与えることで、不整脈などの収縮不全を解消するためのもの。心臓に埋め込む…と聞くとたいそうな機械のように思えますが、安定して動いていれば通院も年に2〜3回と少なくて済み、同時に、医療措置が必要ないため、ペースメーカーを装着しているからといって受け入れを拒否される老人ホームはまずありません。ここでご紹介する施設も数多く、入居一時金や月額利用料、設備やサービス面など、様々な要素からの選択が可能です。よく吟味して、理想の施設を探してくださいね。
ペースメーカー使用者の老人ホームは選択肢が広くて安心
ペースメーカーは、脈の遅い患者むけの精密医療機器です。脈が遅い(除脈)の患者は、軽い作業や安静時でもめまいや息切れなどの症状がおきます。心臓の動きが遅いため、十分な酸素を体中に供給することができないのがその理由です。酸素不足で体が疲れやすくなることも。ちょっと動いただけでめまいや息切れが起きると、なかなか外出しよう、運動しようという気持ちにはなれないでしょう。除脈は患者のQOLを低下させてしまうのです。そんな除脈の患者に対して、ペースメーカーの埋めこみ手術がおこなわれます。
ペースメーカー本体の重さはだいたい20g程度。それほど大きなものではありません。この精密医療機器を体内に埋めこむことで心臓に電気的な刺激をあたえ、心臓の動きを正常にたもちます。
心臓は通常1分間に60~80回の心拍を繰りかえしていますが、除脈の患者は心拍数が1分間に60以下になっています。患者の心臓に異変がおこり「脈がとぶ」「脈拍が一定間隔を超える」逆に「一定間隔以下になる」などの「異常」を感知すると自動的に電気信号をおくり、心臓の動きを正常にする役割をはたします。ペースメーカーには一時的なものと永久型があり、老人ホームに入居する方のほとんどが生涯つかえる「永久型」ペースメーカーを使用しています。
永久型ペースメーカーは本体とリード線(1本ないしは2本)によって構成され、本体もリード線も体内に埋めこみます。ペースメーカーの埋めこみ手術には局所麻酔がつかわれ、約2時間程度の時間を必要とします。本体は電池によって動いているため、5~10年ごとにペースメーカー本体の入れ替え手術をおこないます。入れ替え手術は1時間程度で終了し、日帰りも可能です。ペースメーカー本体も日々進化しており、MRI対応の製品も選択できるようになっています。
ペースメーカー利用者はペースメーカーがきちんと機能しているかどうか、数か月に一度の割合で通院し、プログラマと呼ばれる機器で動作をチェックします。異常がなければ、また数ヶ月後の通院となり、それを繰りかえします。ペースメーカーは非常に信頼性の高い精密医療機器で、検査を受けて異常がなければ老人ホームで特別な医療ケアの必要もありません。日常生活も普通の方と同じように過ごせますので、ペースメーカーの使用がQOL向上にもつながります。
みんなの介護では約9,000施設以上の老人ホームが掲載されていますが、そのうちペースメーカー利用者の受け入れ可能な施設数は約6,043施設となっています。入居可能な老人ホームが多いため、さまざまな施設から条件に合う老人ホームを選択できるのは大きなメリットです。
ペースメーカーとは?心臓での働きについて
ペースメーカーは本体とリード線によって構成されており、永久型の場合は体内への埋めこみが必要です。埋めこまれたペースメーカーは心臓の鼓動をつねに監視しています。脈が急に止まる、脈の間隔が急に早くなる、または遅くなるなどの異常を感知すると自動的に電気信号をおくり、心臓の動きをサポートします。ペースメーカーは主に除脈(脈が遅い)の患者向けとなっており、精密機器を埋めこむことで除脈や不整脈を防ぐことができます。
手術の方法は大きく分けて2種類ありますが、一番多くおこなわれているのは鎖骨下の静脈にリード線を差しこみ、心臓内部まで挿入する方法です。リード線の先端には電極がありその電極が心臓の筋肉に接触しているため、本体からの電気信号を正確に伝えることができます。ペースメーカー本体は鎖骨のやや下、胸部に埋めこまれます。手術では皮膚を切除したり注射をする必要があるため、麻酔は必須です。
手術中の合併症としては「血胸」「気胸」「リード穿孔」などがあります。血胸は静脈を切開してリード線を挿入するため、まれに静脈や動脈を針で傷つけることがあります。そのときの出血が胸のなかにたまることを血胸とよびます。「気胸」は静脈を切開するさいに、誤って肺を傷つけることがあります。傷ついた肺から空気がもれ、それが胸のなかにたまることです。「リード穿孔」はリード線が静脈内に挿入されたとき、まれに血管や心臓の壁を貫通することがあります。
手術後の合併症としては、埋めこんだペースメーカーのリード線が切れる、移動する、傷つくなど。手術後にリード線の位置が移動し、ペースメーカーが正常に動かなくなることがあります。これらの合併症は発生する可能性が低く、必要以上に手術を怖がる必要はありません。手術前は胸部X線撮影や心臓超音波検査、心臓カテーテル検査などいくつもの検査により、安全に手術ができるように配慮されています。手術後もペースメーカーの状態を調べるために胸部X線撮影や採血、心電図モニターによる精密な検査をおこないます。
ペースメーカーを留置した結果、それまでできなかった散歩や軽い運動、外出ができるようになりますのでQOL向上に大きく貢献できます。
ペースメーカーは最新の医療機器のため、入院費用、手術費用がかなり心配になりますが検査費・入院費・手術費は健康保険でカバーできますし、平成19年から高額療養費制度も利用できるようになりました。費用面に関してはとくに心配ないでしょう。
ペースメーカーのケアが必要な方は、老人ホームへの入居後、ここに注意!
ペースメーカーは埋めこみ手術後、1~2か月で位置や動作が安定します。この時期をすぎれば、日常生活にはとくに支障はありません。老人ホームに入所してもとくに問題なく、同じ介護施設の仲間とともに生活することができます。
有料老人ホームでの「ペースメーカーケア」が必要な方の受入割合をチェックしてみましょう。受け入れ可能な割合は約67%。これは人工透析や褥瘡(床ずれ)の患者よりもはるかに高い割合となっており、入所できる老人ホーム数は多い傾向です。
ただ精密医療機器が埋めこまれているため、定期的な通院・外来での診察は必要不可欠。老人ホームへの入居後の注意点としては「定期的な通院が必要である」こと。医療機関によって通院の間隔は違いますが、3か月~半年程度のスパンで、ペースメーカーのチェック(経過観察)をおこないます。リード線の状態や電池の減り具合、ペースメーカーの設定変更が主な内容です。
最近はペースメーカーの動きを遠隔操作で診断できるものも登場。もしかすると将来ペースメーカー利用者は、家庭にいながら遠隔操作で経過観察ができるかもしれません。通院の頻度がそれほど高くないので、老人ホーム入居後でも大きな問題にはならないでしょう。
ペースメーカーの手術を受けた患者には「心臓ペースメーカー手帳」が医療機関より渡されます。この手帳には患者の氏名・住所のほかにも、現在かよっている医療施設の名称や主治医の名前、埋めこまれているペースメーカーの情報、定期検査状況などが記載されています。もしも不慮の事故でほかの医療機関を受診するとき、旅行先でトラブルにあったときは心臓ペースメーカー手帳を提示することで、スムーズな対応が可能となります。空港で金属探知機でのセキュリティーチェックをうける際にこの手帳を係員に見せることで、大きなトラブルなくゲートを通過できます。急変時や事故、ケガなど不慮の事態にそなえて、つねに「心臓ペースメーカー手帳」を携帯しましょう。
ペースメーカーを埋めこんだ患者は、身体障害者の申請をおこなうことができます。各都道府県の福祉事務所に対して申請できます。所定の用紙に必要事項を記入し、身体障害者福祉法が定める指定医師が作成した身体障害者診断書を添付のうえ提出すれば、審査により身体障害者の1~3級に認定されます。身体障害者手帳が交付されると障害者控除、特別障害者控除などの税制上の優遇措置や、自動車税の減免、医療費助成などさまざまな支援制度をうけることができます。
要支援1とは?

要支援1とは、介護保険制度の要介護度の中でも最も軽度な状態です。
食事やトイレ、身支度をはじめ、日常生活の基本的なことは他者の助けを借りなくても一人でこなせます。
しかし、調理や掃除などの家事、服薬といった一部の生活動作については、一人でできない場合があります。
自立・要支援2との違い
日常生活の基本的な動作が自力ででき、身の回りのことも一人で行える状態を「自立」といいます。
一方、「自立」以外の人で介護や介助が必要な場合があります。
中でも、自分一人で日常生活を送ることができるものの、家事や外出など一部で支援が必要な状態が「要支援」です。
要支援2は、要支援1に比べて日常生活での支援を必要とする範囲が広がります。
家事や身の回りのことを行うとき、基本的に見守りや手助けが必要です。また、立ち上がりや歩行時には支えを必要とします。

要支援1で在宅介護はできる?
要支援1の人を家族が自宅で介護することは十分に可能です。
要介護度認定のうち最も軽度な要支援1は、一人暮らしができる状態でもあるため、家族による在宅介護で暮らしているケースはよく見られます。
本人自身の力で生活の多くをこなせる状態なので、日常生活で家族による見守りや手助けが必要な場面はそれほど多くありません。
しかし、家族の介護負担を軽くするためにも、必要に応じてデイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用すると良いでしょう。
現在は特に不自由なく自宅で暮らしていても、心身機能の衰えや病気や怪我などをきっかけに、要介護度が高くなる可能性も考えられます。
したがって、要支援1は在宅での介護が十分に可能な状態ですが、「一人の時間帯が長く、体調の急変時が心配」「家族が遠方で暮らしていて、将来が不安」といった声は少なくありません。
安心して暮らすために、老人ホームに入居するのもおすすめです。
要支援1で入居できる老人ホームは?

元気なうちに老人ホームへの入居を早めに考えておきたい場合、要支援1でも老人ホームによっては入居が可能です。
ただし、老人ホームによっては要介護以上の方でないと入居ができない場合もあるため、老人ホームごとに調べる必要があります。
要支援1でも入居ができる老人ホームは、「サ高住」や「ケアハウス」がオススメです。
サ高住
サービス付き高齢者向け住宅、略してサ高住(さこうじゅう)は、民間が運営するシニア向けの賃貸マンションです。
単身の高齢者や夫婦が安心して暮らせる環境が整備されています。
サ高住の大きな特徴は、バリアフリー設計とシニアに配慮したサービスです。
居室にはトイレや浴室、キッチンが用意されていて、移動しやすいように段差がなく手すりを設置しています。
また、廊下の幅も広いので、入居者がゆったり行き交うことが可能です。また、館内にはスタッフが常駐していて、見守りサービスや生活相談を受け付けています。
緊急時対応もしてくれるので、体調の急変時にも安心です。
また、介護や介助が必要な方は、外部の介護事業者と契約しましょう。
介護保険サービスの訪問介護やデイサービスなどを必要に応じて利用できます。
暮らしやすい生活環境とスタッフの行き届いたサポートによって、自宅で暮らしているような感覚で生活が送れます。
サ高住は実際に、自立の方をはじめ要支援や要介護1・2といった比較的要介護度の低い方が多く暮らしている老人ホームです。
ケアハウス
ケアハウスは、家族との同居が難しい高齢者が自治体の助成を受けて利用するのが特徴です。
要支援1で一人暮らしに不安のある高齢者には、「一般型(自立型)」と呼ばれるタイプがおすすめです。
一般型のポイントは、「自立状態であること」「介護が必要になったときは外部の介護事業者と契約して介護サービスが受けられること」の2つです。
主に訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを利用しながら生活をします。
ケアハウスのメリットは、初期費用が安く抑えられることです。
一般型の場合、保証金として入居時に30万円程度がかかります。また、月額費用の目安は7万〜13万円程度です。なかには、初期費用のないケースもあるなど、初期費用にまとまった金額がかかる民間の有料老人ホームと比較して経済的な負担が軽く済みます。