公営から民営まで、介護施設は“選び放題!”というくらいのラインアップ

堺市の北東のエリアを占める堺市北区。
かつては溜息が区内の全域で見られ、この一帯の中心的なイメージを担っていました。
戦後の高度経済成長の時代に入ると大規模な団地などの建造ラッシュが続き、今では大阪市に近接するベッドタウンというイメージが府民全体の間に定着しました。
凹凸が少なく、土地の開発がしやすいという点がおおぜいの勤労者に住まいを提供してきたといえます。
もっとも開発を受けていないスポットはあちこちに点在し、つい通行人の心を和ませる農地や緑地の風景は健在です。
金岡神社や百舌鳥八幡宮のような寺社仏閣も、高齢に達した区民の心のよりどころとして、散歩の目的地によく選ばれています。
区内でいちばんよく使われている交通サービスといえば、おそらくは大阪市営地下鉄の御堂筋線でしょう。
市外を出たら目の前にJRの阪和線から乗車できますし、泉北高速鉄道や南海高野線を使うことも可能ですが。
ただし御堂筋線だけに目を向けるのではなく、南海バスを無視しないようにする必要があるでしょう。
地区によっては、毎朝の通勤・通学の重要なルートとなっています。
幹線道路いついては、大阪府道28号線をはじめ数本が区内を貫通しています。
北区の人口は、大阪が西日本の経済成長の要として桁違いの発展を遂げた時期は、それに比例するように伸びていました。
しかし昭和から平成に移り変わるころになると、その増加もすっかり落ち着きます。
この四半世紀は横ばいに近い変化しか確認されていません。
ただ長い目で見ればじわじわと増えており、今後大幅な減少に転じる恐れはなさそうです。
2023年の人口は15万8,176人、高齢化率24.6%との調査結果が出ました。
堺市全体で見ても大阪府全体で見ても決して悪くない数字ですが、戦後の人口集中の時期に移り住んできた世代の高齢化が進み、要介護者が増えていることは事実です。
区内で高まるケアサービスの需要に注目する人々は多く、面積のわりに施設の数が多いことからもそれは間違いありません。
官民それぞれで施設の増設が進んでおり、施設の種類はなかなか豊富です。
その結果、特別養護老人ホームや老人保健施設のような「格安」というイメージが強い施設を除外しても安い施設を見つけやすくなりました。
介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームの場合でも、月額使用料が10万円台でOKというパターンが珍しくないのが、昨今の堺市西区の実態になっているのです。