破格の安さで入れる住宅型有料老人ホームのメッカ

駅を出ると待ち受けている光景は、方角によってかなり対照的です。農地や緑地が大切に保存されているエリアが広がっているかと思えば、また別の方向には住宅が立ち並ぶエリアが広がっています。しかしこの点は、暮らしやすさや利便性、そして静けさやきれいな空気などが共存している表れでもあります。
国道3号線や県道236号線に近いことも、便利さの象徴といえるでしょう。バス乗り場は駅の目の前にはありませんが、歩いて数分の位置に合わせて3ヶ所設置されています。熊本バスおよび産交バスが路線の運行に日々励んでいます。
川尻駅は現在、JRの鹿児島本線に所属している駅です。乗り換えの拠点といえばいうまでもなく隣にある熊本駅がいちばんよく使われる場所です。熊本駅では、豊肥本線と九州新幹線が乗り入れているほか、熊本市電の幹線と田崎線に接続しています。
その向こうにある上熊本駅も貴重な乗り換えの機会を提供してくれる駅です。この駅では熊本市電の上熊本線のほか、熊本電気鉄道の菊池線への乗り換えを実行できます。反対方向に目を向けると、2区間離れた宇土駅が目立ちます。この駅では三角線と連結しています(直通運転が行われているため、一時下車しなくても済むことがありますが)。
川尻駅の利用率は、21世紀に入ってからはあまり変化していません。ただし年々微減する傾向がつい最近まで続いていました。それが変わったのは2011年のこと。それ以後は少しずつではあるものの微増を繰り返しています。
川尻駅の周囲は現在、介護施設が増えている途上にあります。施設数は、地域全体で高まるニーズにまだ追いついていません。入居者を新規募集する余裕がある施設は、多いとはいえませんが、施設に対する評判は全体的に好意的なものばかりです。
特に、住宅型有料老人ホームの健闘ぶりが今の川尻駅の近隣では際立っています。サービス付き高齢者向け住宅や介護付き有料老人ホームなどが、そのあとを追うかのようにがんばっています。これらの施設は、駅から1~3キロくらい離れていることが多いものの、入居一時金が一切発生しなかったり月額使用料が10万円台だったりと、リーズナブルな金額に設定されているという点で一致しています。