山の麓につくられた住宅地、そして温泉郷の最寄り駅
「ほたる駅」のニックネームで親しまれてきた、日当山駅。駅は山の麓につくられており、プラットホームに降りると山がすぐそこまで迫っている有様を一瞥できます。豊かな緑や美しく澄んだ空気などには困らない地域であることがひと目で確認できるはず。しかし何もない一帯にある駅だということではありません。山と反対の方向には宅地として使用されている土地が広がっており、住み心地は悪いものではありません。この地域で暮らしたときの最大の強みは、何と言っても駅と同名の温泉がすぐそばにあること。中には、西郷隆盛が入湯したという言い伝えで知られる名湯があるくらいで、遠方から詰めかけるファンは少なくありません。それから山之湯温泉が近いことも、評価に値する事実です。日当山駅は、JRの肥薩線の管内にある駅です。終着駅である隼人駅と隣接しており、この隣駅を経由して簡単に日豊本線に乗り入れできます。最大の乗り換え場所と呼べるのは発着駅である八代駅。県境を越えることになりますから時間は要しますが、そこまでいけば鹿児島本線や肥薩おれんじ鉄道線への乗り継ぎを実行できます。もちろん途中にも乗り換え場所はあります。吉松駅では吉都線に、人吉駅ではくま川鉄道の湯前線に乗り換え可能です。日当山駅は現在、完全な無人駅として運営されています。以前は駅舎がありましたが撤去されており、列車が来るまでの時間は待合室で過ごすことになります。そのような事実が意味することといえば、利用率が著しく低いことになるでしょう。実際に日当山駅の乗降客数を、1日平均で割り出すと非常に少ないことが判明します。過去10年間は、100人台を記録する年がほとんどです(ごくまれに200人を超える年が確認されていますが)。日当山駅の周囲は定住者がたくさんいる地域だとはいえません。そのわりには公営・民営を合わせて雑多な介護施設が周辺に建てられています。もっとも完全に公営の施設は、常に申し込みが多いため待機を余儀なくされるパターンが常識となっています。民営の施設を活用する方向で動くことが大事でしょう(幸い、民営であっても入居一時金や月額使用料が20万円を切るところが多数派となっています)。駅から1キロ未満の施設はかなり少数ですが、4~5キロ離れたところでもOKであれば、選択肢はおそらく多くなります。住宅型有料老人ホームをはじめ介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに出会えることでしょう。




















