トイレ付き居室がある施設特集

個室の有無を施設選びの基準にしている場合、その部屋にどのような設備がついているかも大切なチェックポイントです。プライベートを重視したい方、ご自身で排泄ができる方、おむつを使わない生活を目指す方にはトイレ付き居室タイプをおすすめします。
お部屋の中にあることで移動距離が短くなるうえに、自分のタイミングで使えるメリットは大きいはず。居室のベッドからトイレまでの動線上に歩行を補助する手すりがあるかどうか、車椅子などでも使いやすい設計かといった点も、しっかり確認しましょう。
排泄とQOLの関係性
QOLはQuality of life(クオリティ オブ ライフ)の略で、「生活の質」や「生活の満足度」「より良く生きること」といった意味があります。排泄は生命活動に欠かせないものであり、毎日必ず行わなくてはならないこと。「トイレが使いやすい」「トイレにウォッシュレットがあって気持ちが良い」といったトイレに関する満足度は生活の満足度にも直結します。
特に、老人ホームに入居する人は足腰が弱っており、「トイレに行くのも大変」という場合が多数。快適な生活を送るためにも、安心してトイレに行ける環境が整った老人ホームを選んでおくことが重要でしょう。トイレ付きの居室も増えており、中にはバリアフリー設計のトイレを備えた居室もあります。
共同トイレは「遠い」「他の人が汚していた」といったトラブルにも繋がります。気持ち良くトイレを使用できることからも、トイレ付きの居室はおすすめです。サービス付き高齢者向け住宅はトイレ完備の完全個室ですので、居室の満足度が高いでしょう。最近は介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホームにもトイレ付きの居室が増えています。
居室にトイレがあるメリットとデメリットは?

介護度が上がると「トイレに行くのも一仕事」といった状況になります。そのため、トイレの使いやすさは大きなポイント。居室にトイレがあれば夜中でも困らず、「スタッフさんに連れて行ってもらわないといけないから億劫」といった悩みも解決します。
一方、居室にトイレがあると、一人でトイレに行ける状態でないのにもかかわらず、無理をして転倒する危険性があります。部屋にトイレがなければスタッフを呼ばざるを得ないので、転倒の危険性は下がるでしょう。足腰の状態などを考慮して、トイレ付きかどうかを選ぶ必要があります。
いつでもトイレに行ける安心感
居室にトイレがある何よりのメリットは、いつでも好きな時にトイレへ行けること。自分だけのトイレなので、他の人に汚されないことも安心できます。夜中もトイレに行きやすいため、「安心して寝られる」という入居者もいます。
「トイレの度に介護スタッフを呼ぶのは申し訳ない」と感じてトイレを我慢することもありません。気兼ねなくいつも通りの生活を送るために、居室のトイレは重要な役割を担っています。
一方で怪我のリスクには注意が必要
デメリットは怪我の可能性もあること。本来は介助がないとトイレに行けない人が、「個室にトイレがあるのに人を呼ぶのも気が引けるので、一人で行こうとして転倒した」という話も聞こえてきます。
転倒後、そのまま倒れていても個室だとなかなか気付いてもらえず、発見が遅れた…ということも。トイレ付きの居室にいても「一人でトイレ」が難しいときは、介護スタッフを呼ぶことは必要になることです。また、個室にトイレがあることで引きこもってしまい、運動量の減少が介護度の上昇につながる可能性もあるので注意が必要でしょう。
施設のトイレを確認するポイント

トイレが居室に付いていないタイプの老人ホームでは、「部屋からトイレに行きやすいか?」がポイントとなります。トイレの場所がわかりやすいかどうかや、複数のトイレが設置されているかなども確認ポイントです。
施設見学に行く場合は実際にトイレに入り、「手すりが適切な場所に付いているか?」「車イスでも使いやすそうか?」といった項目を確認すると良いでしょう。「掃除が行き届いているか?」も実は重要なチェックポイントです。
設置場所
各フロアにトイレがあるといっても、設置場所が遠いと利用しにくいことも。サービス付き高齢者向け住宅や高級老人ホーム以外は部屋を選べないことが多いので、どの部屋からもトイレが行きやすい形になっている所を選んでおくと安心です。
介護付有料老人ホームなどは、日中は食堂やレクリエーション用の部屋などで他の入居者と一緒に過ごすことが多いので、どのフロアにいてもトイレに行きやすいのがベストです。
介護度が上がると、トイレは自分でできたとしても移動は車椅子、という人が増えます。トイレの入口が広く、車椅子でも入りやすい所を選んでおくこともポイント。また、「車椅子でトイレの個室まで行ったとき、便座に座りやすいか」「手すりの位置は適切か」なども確認しておきましょう。
トイレ内環境
トイレ中の環境も大切です。老人ホームに見学に行った際は「便座に座るまでの動きをサポートしてくれる手すりが付いているか?」や「バリアフリーになっているか?」といった“使いやすさ”をチェックしておきましょう。
さらに、「トイレットペーパーが使いやすい位置にあるか?」「洗面台にも手すりがあり、手が洗いやすいか?」「緊急コールの場所がわかりやすく、鳴らしやすいか?」といったチェックポイントをクリアしたトイレであれば、満足度も高いでしょう。
手入れ状態
使いやすいトイレは生活満足度をぐんと引き上げます。見学時には「トイレットペーパーが補充されているか?」「便器や床が汚れていないか?」「換気はされているか?」といった項目をチェックしておくと安心です。
日頃からウォシュレット付きのトイレに慣れている人は、老人ホームでもウォシュレットがあるトイレを希望することも可能なので、 電話や施設見学の際には希望施設のトイレにウォシュレットがあるかどうかを相談してください。寒い地域では便座に保温機能が付いているとなお快適。そういった機能が備わっているかどうかも要チェックです。