商店街が多く高齢者の憩いの場となっている場所もちらほら

守口市は、大阪府北河内地域にある衛星都市です。
大阪市に隣接し、ベッドタウンとしても需要が高い街であり、三洋電機の本社があり、電気の街というイメージもあります。
交通アクセスとしては京阪電気鉄道の京阪本線や大阪高速鉄道の大阪モノレール線、 大阪市営地下鉄などが運行しています。
路線バスも大阪市営バスが走り、利便性のある街となっています。
市内には23もの商店街があり、商店も多い街です。
守口市の高齢化率の推移を見てみますと、1975年には総人口が約17.8万人、高齢者数は約9,000人で、高齢化率も5.2%程度でした。
しかし、2010年には総人口は約14.7万人、高齢者数は約3.6万人、高齢化率は24.4%、2023年には総人口約14万人、高齢者数は約4万人、高齢化率28.5%に上昇しています。
総人口は減少していながら、高齢者は大きく増加しています。
守口市も高齢化社会に備え、高齢者福祉サービスを充実させていくべき状況なのです。
市が行っている高齢者福祉サービスは豊富で、内容も細やかです。
65歳以上の寝たきりの高齢者を対象に移動入浴車を派遣し、入浴サービスを低料金で行っており、自宅介護をしている方には大変うれしいサービスとなっています。
また、65歳以上の高齢者で、要介護認定が4以上、寝たきりまたは車椅子の方の外出時に、介護車での送迎をするサービスもあります。
特別養護老人ホームは市内に7ヵ所ありますが、費用的には特養が一番安いため希望者が多く、即入居というわけにはいかないようです。
特養のほかにも老健などの公的介護施設、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などがあります。
自分の病気の状態や、金銭的な条件に合った施設を選んでいきましょう。
介護付有料老人ホームなら、看護サービスもある場合が多いので、胃ろうなどの高度な医療看護にも対応しています。
料金的には施設によって非常に開きがあり、入居時の費用も数百万円という所から、10万円程度のホームもあります。
サービス付き高齢者住宅も同様です。
高齢者住宅のメリットは住宅型なので完全個室で、比較的自由がきくことです。
夫婦入居も可能な所もありますので、見学に行き、遠慮せず何でも相談してみるとよいでしょう。
グループホームも数ヵ所あり、入居時の頭金が0円~20万円未満、月額利用料は15万円未満という低料金なホームも多いようです。
グループホームの特徴は、規則が厳しくないことです。
朝起きられない人は無理に起さない…といったゆとりがありますので、認知症の方にはおすすめです。
高齢化率は2030年度には30%に
守口市は大阪府の北河内地域の街。
市の南西で大阪市と接しており、大阪市のベッドタウンとしても発展してきました。
花博記念公園鶴見緑地の半分は守口市にあります。
隣接する門真市とまたがる形で、旧松下電器産業であるパナソニックの本社があるため、パナソニックの社員とその家族も多く住む町です。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
交通アクセスとしては、京阪電鉄の京阪本線や大阪メトロ(旧大阪市交通局)の谷町線 や今里筋線、大阪高速鉄道の大阪モノレール線が走行。
バスも京阪バスや大阪シティバス、大阪市旭区のコミュニティバス「あさひあったかバス」が走っていますし、近畿自動車道や阪神高速道路も市内を通っています。
守口市は近年、総人口が減少中です。
2012年度以降、12万5,000人台で推移しており、2016年度には総人口が14万4,055人、2023年には14万2,014人となりました。
年齢別にみると、0~14歳の年少人口と、15~64歳の生産年齢人口は2012年以降、減少傾向にあります。
しかし、65歳以上の高齢者人口は増加し続けており、高齢化率も2012年度は25.8%だったのが、2016年度の高齢化率は28.4%、2023年には28.5%まで上昇しています。
この年の高齢化率の全国平均が29.0%ですので、守口市は全国の平均と同水準で推移しています。
総人口は減っていますが、世帯数は増えており2023年度には6万7,860世帯に。
一方、1世帯あたりの人数は減少しています。
65歳以上の高齢者がいる世帯も増加中です。
大阪府よりも高くなっており、高齢化が進んでいるのがわかります。
増える需要に対応するためにデイサービスの増設を進めている
守口市の要支援・要介護認定者数は年々増加中です。
2012年度には5,978人でしたが、2014年度には7,461人、2016年度には9,234人、2023年には9,703人まで増加。
認定者は着実に増え続けています。
要介護度別にみると、要支援1と要介護1の認定者が増加。
要支援・要介護認定者は今後も増え続けると予測されており、守口市では早急な介護保険サービスの提供体制の整備を行っています。

要支援・要介護認定者が増えるにつれ、在宅介護も増加中です。
そのため、老老介護や介護疲れによる疲弊、高齢者虐待が問題になっています。
特に守口市では2014年度に急激に高齢者虐待件数が増えました。
その後は緩やかに減っていますが、2016年度の高齢者虐待件数は2012年度の件数の倍近くに。
身体的虐待が最も多く、在宅介護を支える介護保険サービスの充実に急いでいます。
守口市は炊事や掃除、身体介助などを行う「訪問介護」や、看護士が自宅を訪問して、医療サポートを行う「訪問看護」といった居宅サービスを増やすため、従事する職員の増員や、サービス事業所の増設を検討中です。
また、送迎付きでサービスステーションに行き、入浴や食事、レクリエーションなどが楽しめる「デイサービス」、病院などのリハビリ室で本格的なリハビリができる「通所リハビリテーション」、短期間入居できる「ショートステイ」といった通所型のサービスも需要が高いです。
特別養護老人ホームやグループホームといった施設サービスの利用者も増えているため、守口市は事業所や介護施設の増設を進めています。
車いす貸出しや病院送迎など地域包括ケアシステムを強化
守口市では地域共生社会を目指し、地域包括ケアシステムを構築中です。
年を重ねても自分らしく健やかに生きていけるよう、医療や介護、介護予防など、さまざまな角度から高齢者を支える「高齢者支援」にも力を入れています。
守口市が行っている高齢者支援の内容は多彩です。
生活支援サービスの一環として、車イスの貸与を実施し、65歳以上で、骨折などにより一時的に車イスが必要な人に、短期間車イスを無料で貸し出しています。
外出支援サービスとしてリフト付車輌・ストレッチャー装置ワゴン車での病院送迎を実施しています。
65歳以上で要介護4以上の認定を受けた人が利用できます。
利用できる回数は決まっていますが、無料なので利用者も多いようです。
また、65歳以上の一人暮らしの高齢者で、注意が必要な人を対象に「緊急通報機器」を貸与しています。
ボタンを押すとすぐに受診センターにつながり、状況に合わせて救助を行うシステムです。
生活に困窮しており、医療が受けられない高齢者のために、無料または低料金で診療が受けられる「無料低額診療」サービスも行っています。

加えて、認知症高齢者と介護家族のために認知症施策を推進中です。
認知症高齢者やその家族をフォローする「認知症サポーター」を養成。
公民館などで講座を行い、地域の人々がサポーターを行う環境を整えています。
基本的に地域包括支援センターが窓口となり、生活に関するサポートや、外出支援、介護予防活動などを行っています。
気になる支援があれば、センターに気軽に相談すると良いでしょう。
「簡単シェイプアップ教室」などで楽しく介護予防できる
守口市では要介護状態にならないため、いろいろな介護予防活動を実施しています。
高齢者が体を楽しく動かせるように、市民体育館や各地の公民館などで、カラコロ健康体操教室やバランス調整運動教室、ゆったり体操教室、超健康ステップ体操教室といった健康体操教室を行っています。

さらに、元気体操教室やすっきりリフレッシュ体操教室、骨粗しょう症予防教室もあり、内容が豊富なのが魅力です。
また、外出支援の一環として、高齢者の通いの場や居場所づくりも推進しており各地に設置した「さんあい広場」では、囲碁将棋や手芸、カラオケ、子どもたちとの交流会、喫茶、座談会など、さまざまな会を実施。
地域のカフェやサロンとなっており、仲間づくりや生きがいづくりにも繋がっています。
市の体育館では、子どもから高齢者まで気軽に参加できるレクリエーションスポーツやゲーム大会などを開催。
シャフルボードやスリータッチボールなどのニュースポーツも楽しめます。
また、病気が衰弱の引き金になる人も多いため、インフルエンザなどの予防接種や、大腸がんや肺がんなどのがん検診などを推進。
病気予防や病気の早期発見・早期治療に力を入れています。
生活習慣病患者の増加も問題となっているため、生活習慣病予防のための簡単シェイプアップ教室や、ひきしめシェイプ教室なども開催。
守口市は高齢者の病気をさまざまな角度から防ごうとしています。
「守口市いきいきネット相談支援センター」で福祉サービスの相談が可能

守口市では、認知症などで判断能力が低下している人の生活を守るため、「成年後見制度」を行っています 。
「介護保険サービスの利用手続きが分からない」「貯金の管理が不安になってきた」など、いろいろな手続きや管理が困難になった場合、代行する制度です。
本人だけでなく、家族や親族からも相談できるため、「90歳を超える叔母がよくお金がなくなったといって騒ぐので困っている」といった相談にも対応しています。
また、高齢者虐待を未然に防ぐべく高齢者虐待相談も実施中です。
高齢者の健康や命、生活などを脅かす行為を発見した人の通報も受け付けています。
個人の情報は守られますので、匿名で相談や通報ができるのもポイントです。
身体的な暴力だけでなく、「食事を与えない」「暴言をぶつけ続ける」といった目に見えない虐待も問題となっています。
そのため、介護をする家族、介護施設の職員、地域の人々など、広範囲での虐待情報が求められています。
各エリアの地域包括支援センターが相談・通報窓口となっており、電話相談も可能ですので、何かあった場合はすぐに相談することができます。
また、福祉サービスに関する相談を受け付ける「守口市いきいきネット相談支援センター」が市内4ヵ所にあります。
相談支援センターは老人福祉センターや社会福祉協議会などの中に設置されており、コミュニティソーシャルワーカーに無料で専門的な相談ができるのが魅力です。