定住者が増え続けるかたわらで、入居一時金の低額な施設が続々と誕生

寺田町駅の知名度は、大阪を出るとそれほどのものではないでしょう。しかしその事実は、この駅が不便であるという意味ではありません。すぐ近くに、天王寺駅や新今宮駅があるため、西日本旅客鉄道・大阪市営地下鉄・近畿日本鉄道・南海電気鉄道・阪堺電気軌道……と、そうそうたる鉄道会社が運行する路線に簡単に乗り換えできるからです。方向を変えても、鶴橋駅や京橋駅に近くて利便性ではほとんど変わりません。
この駅の利用者は、21世紀に入ってから(年によっては、微増することはありますが)減少の一途をたどっています。1日あたりの乗客数は2004年に17000人を割り、さらに2008年に16000人を下回りました。この傾向はしばらくの間不変のままだろうと推測されています。
寺田町駅は天王寺区に所在する駅です。天王寺区といえば、商業的にも名高いですが定住者が増えていることでも名高いエリアで、その影響もあって高齢化率はまだ深刻なレベルではありません。若い世代の定住者のさらなる増加や、子育てに関する積極的なサポートを行政主導で行うことで、かなりの対策を期待できると考えられていますが、今のところは目立った成果は上がっていない様子です。
現時点で本格的な介護が必要な高齢者へのサポートについてはどうしても後手に回っているふしがありますが、公営の老人ホームや民間の高齢者専用住宅などが少しずつ新設されており、将来に向けて明るい材料も増えている段階です。
寺田町駅を基点として施設を探す場合、リーズナブルな価格で入居できる住宅型有料老人ホームが多少見つかる可能性が高いです(駅からの近さにこだわると、発見は難しくなってしまうのですが)。入居一時金も月額使用料もそろって10万円以内に収まる施設があるほどです。
それ以外に比較的安く入れるチャンスがあり、なおかつ待機せずに入れるチャンスがある施設は、グループホーム・高齢者住宅・サービス付き高齢者向け住宅といったところでしょうか。これらの施設に入るには、いろいろな条件に合致しないといけませんが、検討する価値はおおいにあるでしょう。