市の中心部ながら、利用料が低額の施設もちらほら

大阪市内のほぼ中央に位置し、道頓堀川や木津川に囲まれる形で延びる浪速区。
江戸時代までは農地という性格が強かった土地ですが、当時から流通の中心地という機能も果たしていました。
明治以降は交通の発達に伴って急速に物資が集中するようになり、商業の中心地として発展を遂げました。
それに伴って繁華街も切り開かれるようになり、戦前の大阪の経済を支える場所の仲間入りを果たしています。
戦後は工場の移転などが相次ぎ、町全体が過疎化・老朽化を繰り返す時代が続きましたが、21世紀に入ると、新しい都市計画のステージとして再び脚光を浴びるようになります。
高層ビルの建設が現在も引き続き行われており、人々や企業がまた戻りつつあります。
「なんばパークス」や「湊町リバープレイス 」のような楽しめる施設も続々とつくられています。
このような、いわば再生の時代に浪速区に住めることは、高齢者にとってもエネルギーを吸収しながら毎日を送れることになり、有益な点が多いはずです。
大阪市でも最小の面積しか有していない浪速区ですが、交通インフラの集中ぶりには驚嘆させられます。
JR線・南海電気鉄道・阪神電気鉄道・阪堺電気軌道・大阪市営地下鉄と、そうそうたる鉄道会社がこの区域に進出しており、総計で10本もの路線を利用できるのです。
車両による移動を予定する場合でも、阪神高速道路の支線が2本通っているなど、面積の狭さに反比例するかのような利便性が異彩を放っています。
大阪市営バスもこの区域をきちんと網羅しています。
浪速区の人口は、2000年以降は右肩上がりに成長しています。
現在は落ち着いていますが、2023年の人口は7万3,794人でした。
もっとも住民の男女比がアンバランスだという問題が生じており、それを解決することが著しく低い少子化率の改善策につながると考えられています。
浪速区には福祉関連の課題が依然として多いことになりますが、高齢者対象のケアサービスに関してはだいぶ有利な区域といえます。
狭い区域のため、介護施設の数はかなり限定されていますが、施設の種類は何種類にも分かれており、好みに合わせたチョイスが可能です。
また、駅から近い施設や低予算でも入居するチャンスがある施設が少なくありません。
入居一時金と月額使用料が双方とも20万円以内で収まる施設が実際に複数見つかります。
これは大都会に属する行政区ではとても珍しい現象です。
この稀有なメリットはぜひ活用したいところです。