10万円前後で利用できる老人ホームも多数

生野区は、個人商店や中小企業、商店街も多く、ロート製薬などの大手会社の本社や工場もあります。
交通アクセスとしてはJR大阪環状線や、近畿日本鉄道の大阪線が運行しています。
そして、大阪市営地下鉄や大阪市営バスが区内を走っています。
大阪市は、高齢化率の推移を予測しており、高齢化率は、2010年には27.1%だったものが、2023年には29.4%へ上昇。
そして2040年には37.0%にもなるとされています。
そのような推計がなされるほど、高齢化率の上昇が続いているのです。
高齢化が進む中で、生野区は高齢者福祉サービスを実施し、高齢者の生活を支えています。
老人福祉センターという、高齢者が気軽にカラオケが楽しめる場を設けています。
在宅支援としては配食サービスもあります。
安否確認を含めて、栄養バランスのとれた食事を提供しています。
特別養護老人ホームは、区内に数ヵ所ありますが入居が難しい状況です。
老健もあるのですが、特養同様、どの施設も満床のようです。
しかし介護度などで優先的に入居させてもらえる場合もあるようですから、入居したい施設には入居希望を出しておきましょう。
住宅型有料老人ホームなら頭金が数十万円で、月額利用料が15万円未満のホームもあります。
しかし、デイサービスや訪問ヘルパーを利用すると、その分の料金が月額利用料に加算されますので注意が必要です。
見学に行き、直接ホームの人に見積もりを出してもらうことをおすすめします。
グループホームも区内に点在しています。
入居時に保証金として数十万円ほど支払う施設もありますが、月額利用料は20万円未満で済み、有料老人ホームより格安なので人気です。
一般住宅を改修してグループホームにした施設も多く、アットホームでのんびりできる場所です。
グループホームも満床の場合が多いようですが、入居の希望を出しておくと、部屋が空けば声をかけてもらえます。
入居条件を満たすのなら、複数のホームに入居申請を出しておくのも良いと思います。
後期高齢者がいる世帯は毎年増加している
交通アクセスとしては大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)の千日前線と、近畿日本鉄道の大阪線、JR西日本の大阪環状線が区内を走行しています。
大阪シティバスも区の内外を巡っています。
特に、大阪メトロ千日前線の北巽駅には「北巽バスターミナル」が設置されており、「乗り換えに便利」といった声も聞かれます。

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」
交通アクセスは比較的良い街ですが、生野区では人口の減少し、少子高齢化が進んでいます。
人口に反比例して世帯数は増加しており、1世帯あたりの人数は減少中です。
高齢者のいる世帯の内訳としては、一人暮らしの高齢者や高齢夫婦のみの世帯が増え、老老介護や孤独死が問題となっています。
そのため、より深い生活支援が求められています。
年齢別にみると、65歳から74歳までの前期高齢者がいる世帯や75歳以上の後期高齢者がいる世帯は毎年増加しています。
生野区の出生率と死亡率をみても、出生率は減っているのに対し、死亡率は上昇しています。
自然増加率も減少し続けており、人口の減少が今後も続く見込みです。
生野区は高齢者の増加にともない、高齢者向けの福祉サービスを充実させています。
また、高齢者だけでなく、高齢者を取り巻く区民全員が「暮らしやすい」と感じる街を目指し、地域コミュニティの活性化や、地域ごとの課題解決に向けた取り組みを推進中です。
かかりつけ医や訪問診療・看護の需要が高い傾向
生野区は、日本最大のコリアンタウンのある場所です。
区内では50ヵ国もの外国籍の人々が生活しており、外国人人口は区の2割を占め、その割合は大阪市24区の中で最多となります。
観光用のコリアンタウンもあり、異文化に触れるチャンスも多い街です。
そういった生野区独自の特徴も活かしながら、高齢者だけでなく誰もが地域とつながりを持ち、安心して暮らしていける共生社会の実現を目指しています。

生野区らしい福祉を行うため、地域まちづくり協議会や地域包括支援センター、社会福祉協議会、ボランティア団体、医師会や歯科医師会、薬剤師会などの連携を強化しています。
さまざまな角度からのサポートを実現しようとしています。
生野区では、民生委員児童委員やネットワーク委員による見守り、近隣住民によるゴミ出しサポート、近所の商店による食材のお届けなど、身近なサポートを推進しています。
また、生野区では持ち家のある高齢者が多く、自宅の老朽化や空き家といった住宅問題も出てきています。
自宅で安心して暮らせるよう、手すりや洋式トイレの設置や、段差解消を行う住宅改修も利用者が多いです。
生野区では自宅で暮らす高齢者が多く、病気や要介護状態になっても、介護支援や家族の介護などを受けながら暮らす人も多いのが現状です。
そのため、かかりつけ医や訪問診療・看護も需要が高く、より一層の医療と介護の連携が必要とされており、生野区は連携の強化に急いでいます。
全国同様、認知症高齢者も増えており、生野区でも「生野区認知症高齢者支援ネットワーク会議」や「生野区の孤独死を防ぐ連携会議」といった高齢者に関する介護を実施しています。
「がん撲滅戦隊いくみんレンジャー」で積極的な普及活動を展開
生野区では要医療・要介護高齢者や認知症高齢者が増えているため、介護予防や健康づくりに力を入れています。
大阪市全体で推進している、介護予防体操「いきいき100歳体操」を生野区でも実施しています。
徐々に開催場所も増え、現在はいきいき100歳体操を区内15地域以上で行っています。

生野区の健康寿命は男性が77.23年、女性が83.13年です。
男女ともに大阪市の平均を上回っています。
しかし、がん検診などの各種検診や特定健康診査の受診率は、大阪市の平均を下回っているのが現状です。
生活習慣病の病気予防や重度化防止のためにも、受診率を上げる取り組みを行なっています。
生野区の死亡原因を見るとがんによる死亡が最も多く、がんの原因と言われている生活習慣病の予防も大きな課題です。
そのため、生活習慣病予防や介護予防のために、「いきいき100歳体操」に加え、「いくみん健康体操」や、血管年齢測定、高齢者体力測定を実施しています。
高齢者が自分の体力などを把握し介護予防に積極的になれるように努めています。
「がん撲滅戦隊いくみんレンジャー」という生野区独自のキャラクターを作成し、普及啓発活動を推進しています。
特定健診に関しては、区内約7ヵ所で集団検診を実施したり、受診推奨ポスターを医療機関に貼ったりして、認知を広めています
生野区保健福祉センターを中心に、実施している「いくみん健康体操」は、生野区独自の健康体操で、歌とともに楽しく体が動かせます。
こうした介護予防活動は、地域包括支援センターが窓口となっています。
興味がある人は気軽に相談してみると良いでしょう。
高齢者の生活を支援する「くらしの相談窓口いくの」を設置

生野区では、さまざまな相談窓口が設置されています。
生活困窮者自立相談支援事業では、「くらしの相談窓口いくの」を設置。
専門の相談支援員が、生活の悩み事を聞き、解決の手伝いをしてくれます。
借金や生活費の困窮、収入の不安定など、お金に関する悩みなら何でも無料で相談可能です。
「見守り相談室」では、孤独死を防ぐため、孤独死のリスクの高い世帯を対象に福祉専門職が見守りを実施しています。
また、見守り相談室では認知症高齢者を事前登録しておき、徘徊が発生した際に協力者へ情報をメールで配信も行っており、認知症高齢者などの行方不明者の早期発見に役立っています。
生野区社会福祉協議会が窓口となっている「ご近“助”パワフルサポート事業」では、「手伝いをしたい」というボランティアと、ちょっとした困りごとのある高齢者を繋いでいます。
「歳を取って庭の水やりがつらい…週に1度ほど手伝ってほしい」といった相談が可能です。
近年、生野区でも高齢者世帯を狙った悪質な詐欺事件や訪問販売が多発しています。
そういった事件から高齢者の生活を守るため、権利擁護活動にも力を入れています。
「安心サポート事業」や成年後見制度による金銭管理やサービス手続きの代行を実施し、実際に権利擁護を行っているので、「詐欺に遭いそうで怖い」「通帳がなくなるのが恐ろしくて寝られない」といった相談もできます。
権利擁護活動そのものが、まだ認知度が低く、利用できていない高齢者も多いため、生野区は認知・広報活動も推進しています。
徐々に認知度も上がっているようです。