褥瘡・床ずれの対応が可能な施設特集
必要な介助に加え、医療ケアも充実

褥瘡・床ずれとは、安静にしていたり寝たきりになったりしている場合に、栄養不足や不潔になるために起こる皮ふの症状のこと。褥瘡・床ずれの予防や改善には、「清潔にすること」「特定箇所を圧迫しないこと」「充分な栄養を摂ること」が大切です。ここでご紹介する介護施設では、就寝時の体位変換をはじめ、症状が重くなった際の医療ケアも充実。褥瘡・床ずれでも対応可能な施設をお探しの方は、ぜひ一度、施設概要をご確認ください。
床ずれ(褥瘡)があっても老人ホームの入居は可能。施設では手厚いケアが受けられます!
長い間寝たきりの生活が続くと、入所者によっては褥瘡(じょくそう:床ずれ)ができることがあります。人は眠っている間に無意識のうちに体位を変えています(体位変換)。同じ体位を取りつづけると体が痛くなり、寝苦しくなることにより自然に体の向きを変えるのです。このように自分自身で体位変換ができるのであれば、床ずれになるリスクはありません。
ところが、高齢になり筋力や体力の低下で思うように動けない、ケガや病気によって体の自由がきかなくなった場合「同じ体位で体が痛い」と思っても思うように向きを変えることができません。その場合、看護師や介護士が体位変換のお世話をするのですが、それができない場合に「褥瘡(とこずれ)」ができることがあります。
床ずれとは長時間同じ部位に圧力がかかることによって血流が悪くなり、皮膚の一部が赤みを帯びる、皮膚がただれる、皮膚の表面にキズができるなど症状が起きることです。表面が赤くなり痛みが生じるのは初期の褥瘡ですが、症状がすすむと赤みから皮膚のただれ、そして深い傷へと変化していきます。病気が進行すると皮膚が消失し、傷が骨や筋肉にまで到達することに。骨髄炎を引き起こすと手術の必要があります。床ずれと言っても軽度と重症の方とでは老人ホームでの対応が変わってきます。
みんなの介護に掲載されている9,000か所施設の老人ホームのうち、床ずれの入所者を受け入れできるのは約4,768施設。約半数以上の老人ホームで受け入れ可能です。ところが床ずれの処置は医療行為にあたるため「日中看護師常駐」「24時間看護師常駐」または「訪問看護」サービスが受けられる施設でなければ医療ケアができません。介護士は床ずれができないように数時間おきに体位を変換すること、そして初期の褥瘡にはワセリンとよばれる潤滑油をぬり、患部を傷めないようにケアすることです。
もしも床ずれが骨や筋肉にまで達している場合は、感染症の危険があるため老人ホームで受け入れができないこともあります。医療施設である程度の治療をうけ、治療の結果改善がみられる場合(あたらしい筋肉組織が形成されるなど)、老人ホームへ入所できる可能性も。床ずれに対応できる老人ホームは全国にたくさんあるのですが、どのレベルの褥瘡であれば対応できるかには差異があります。
一度床ずれができた高齢者は、床ずれができやすいというリスクを抱えている場合も。しびれやマヒなどで体の感覚が鈍い、自分の力で体位変換ができない。痩せてろっ骨などの骨が出っ張っている、皮膚に弾力がなくシワやたるみが多い、尿失禁や便失禁の症状がある場合はリスクが高いため、老人ホームではきめ細かな床ずれ防止のケアをおこないます。
床ずれ(褥瘡)の原因、そして症状とは
床ずれ(褥瘡)ができる原因は、長期間にわたって同じ部位が圧迫され続けることです。
寝たきりの高齢者のなかには、体がマヒしてうまく寝返りがうてない方もいますし、圧迫による痛みを感じにくい感覚障害の方も。自分自身で体位変換ができない場合は、介護者や介護職員が2時間おきに体の向きを変えることで床ずれを予防できます。もしも体位変換をせずにずっと同じ姿勢で横になり続けると、皮膚や筋肉が圧迫されると皮膚や筋肉に必要な酸素や栄養分がいきわたらなくなり皮膚が赤く変色し、やがてそれが皮膚のただれ、傷(壊死)へと変化していきます。
床ずれの症状はまず初期の段階では「皮膚の赤み」です。赤くなると同時に痛みを感じる場合も。皮膚の赤みを発見したら血行をうながすために温めたタオルをあてます。ワセリンを塗り皮膚を保護するのも効果的。皮膚を強くこすったりさらに圧迫するのは止めましょう。水分を拭きとるときは皮膚を強くこするのではなく、優しく押さえること。皮膚に赤みがみられるのはステージⅠです。
初期の床ずれが悪化すると皮膚がただれ、水泡があらわれます。皮膚障害が起きた状態です。この水泡を潰してしまうと感染症を引きおこすこともあるため、できるだけ清潔にして患部を傷めないように注意しましょう。この状態はステージⅡに分類されます。
さらに症状が進むと傷が皮膚の真皮から脂肪層にまでいたります。この状態になるとすぐに完治させるのはむずかしくなります。ステージⅡの治療期間は1か月前後ですが、ステージⅢになると完治までに数か月~1年以上かかることも。さらに症状がすすむとステージⅣ、傷が骨や筋肉組織にまで到達した状態になると老人ホームでも簡単に受けいれができません。病院での医療的なケアが必要です。
床ずれは初期のうちに対応することで症状の悪化を防ぐことができます。床ずれができる部位もおしりや背中、肩甲骨周り、後頭部、腰まわりなどある程度決まっていますので、マメな体位交換で床ずれを予防しましょう。義務づけられています。「入居一時金が高い」と感じられるときは、その根拠を開示してもらい納得したうえで契約を結びましょう。
介護施設で褥瘡ができるようでは介護に問題あり?
「たいしたことはない」と、人によっては軽くみられてしまう床ずれ(褥瘡)ですが、症状が重くなると命にかかわることがあります。床ずれを防ぐためには、定期的な体位変換が効果的です。介護職員は定期的に入所者の体を左右に方向転換させ(体位変換)、同じ場所が圧迫されないようにケアをおこないます。ところが入所者の数が多い老人ホームでは、介護職員がきちんと体位変換できない場合も。そうなると床ずれができ、治療が必要になります。
床ずれは一度できると完治に時間のかかる病気なので、予防がなによりも重要です。「介護施設にあずけているから大丈夫」ではなく、定期的にご家族との面会をおこない、体に異常がないかどうかをチェックすることも重要です。長期間面会をせずに放置していると、いつの間にか家族の体に異変が起こり、気がついたときは手遅れ……という場合もあります。家族の介護を老人ホームまかせにせず、自分の目で確認することも重要です。
もし老人ホームでの介護ケアが十分でないために床ずれができているようなら、施設とよく話しあいをおこない、床ずれのチェックやマメな体位変換をお願いしましょう。
床ずれができやすい方にはある傾向があります。体のマヒなどにより自由に体の向きが変えられない、嚥下機能の低下で栄養不足、認知症などで痛みや異変を感じにくい、うまく言葉が話せない失語症の方(異常をうまく伝えられない)、痩せていて骨がよく見える方、おむつを当てており長時間肌が蒸れた状態になる、便失禁や尿失禁の症状がでており、皮膚が不潔になりやすい―このような症状がある場合は、入所前に老人ホームの職員に対して「床ずれを起こす可能性が高い」ことを事前に話しておくとよいでしょう。
要支援1とは?

要支援1とは、介護保険制度の要介護度の中でも最も軽度な状態です。
食事やトイレ、身支度をはじめ、日常生活の基本的なことは他者の助けを借りなくても一人でこなせます。
しかし、調理や掃除などの家事、服薬といった一部の生活動作については、一人でできない場合があります。
自立・要支援2との違い
日常生活の基本的な動作が自力ででき、身の回りのことも一人で行える状態を「自立」といいます。
一方、「自立」以外の人で介護や介助が必要な場合があります。
中でも、自分一人で日常生活を送ることができるものの、家事や外出など一部で支援が必要な状態が「要支援」です。
要支援2は、要支援1に比べて日常生活での支援を必要とする範囲が広がります。
家事や身の回りのことを行うとき、基本的に見守りや手助けが必要です。また、立ち上がりや歩行時には支えを必要とします。

要支援1で在宅介護はできる?
要支援1の人を家族が自宅で介護することは十分に可能です。
要介護度認定のうち最も軽度な要支援1は、一人暮らしができる状態でもあるため、家族による在宅介護で暮らしているケースはよく見られます。
本人自身の力で生活の多くをこなせる状態なので、日常生活で家族による見守りや手助けが必要な場面はそれほど多くありません。
しかし、家族の介護負担を軽くするためにも、必要に応じてデイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用すると良いでしょう。
現在は特に不自由なく自宅で暮らしていても、心身機能の衰えや病気や怪我などをきっかけに、要介護度が高くなる可能性も考えられます。
したがって、要支援1は在宅での介護が十分に可能な状態ですが、「一人の時間帯が長く、体調の急変時が心配」「家族が遠方で暮らしていて、将来が不安」といった声は少なくありません。
安心して暮らすために、老人ホームに入居するのもおすすめです。
要支援1で入居できる老人ホームは?

元気なうちに老人ホームへの入居を早めに考えておきたい場合、要支援1でも老人ホームによっては入居が可能です。
ただし、老人ホームによっては要介護以上の方でないと入居ができない場合もあるため、老人ホームごとに調べる必要があります。
要支援1でも入居ができる老人ホームは、「サ高住」や「ケアハウス」がオススメです。
サ高住
サービス付き高齢者向け住宅、略してサ高住(さこうじゅう)は、民間が運営するシニア向けの賃貸マンションです。
単身の高齢者や夫婦が安心して暮らせる環境が整備されています。
サ高住の大きな特徴は、バリアフリー設計とシニアに配慮したサービスです。
居室にはトイレや浴室、キッチンが用意されていて、移動しやすいように段差がなく手すりを設置しています。
また、廊下の幅も広いので、入居者がゆったり行き交うことが可能です。また、館内にはスタッフが常駐していて、見守りサービスや生活相談を受け付けています。
緊急時対応もしてくれるので、体調の急変時にも安心です。
また、介護や介助が必要な方は、外部の介護事業者と契約しましょう。
介護保険サービスの訪問介護やデイサービスなどを必要に応じて利用できます。
暮らしやすい生活環境とスタッフの行き届いたサポートによって、自宅で暮らしているような感覚で生活が送れます。
サ高住は実際に、自立の方をはじめ要支援や要介護1・2といった比較的要介護度の低い方が多く暮らしている老人ホームです。
ケアハウス
ケアハウスは、家族との同居が難しい高齢者が自治体の助成を受けて利用するのが特徴です。
要支援1で一人暮らしに不安のある高齢者には、「一般型(自立型)」と呼ばれるタイプがおすすめです。
一般型のポイントは、「自立状態であること」「介護が必要になったときは外部の介護事業者と契約して介護サービスが受けられること」の2つです。
主に訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを利用しながら生活をします。
ケアハウスのメリットは、初期費用が安く抑えられることです。
一般型の場合、保証金として入居時に30万円程度がかかります。また、月額費用の目安は7万〜13万円程度です。なかには、初期費用のないケースもあるなど、初期費用にまとまった金額がかかる民間の有料老人ホームと比較して経済的な負担が軽く済みます。