「瀬戸物の街」。高齢者にとって便利に都市設計されています

そして、2005年に大盛況のうちに幕を閉じた「愛・地球博」の会場のひとつが近くにつくられたことはまだ記憶に新しいところ。もともと「せともの祭」や「陶祖まつり」のようなイベントの開催で有名な土地柄で、遠方からもよく観光客が訪れる駅となっています。観光客も長年の住民も、同様に楽しく利用できる施設が駅の周囲に大量に固まっています。
駅前には発達したバスターミナルがありますが、ここに乗り入れているのは名鉄バスとJR東海バスグループ。それに加えて、市営のコミュニティバスや地域密着型のタクシー会社がありますから、自力で車を運転できない年齢になっても行動範囲は広いまま保てそうです。
尾張瀬戸駅は現在、名鉄瀬戸線の終着駅という位置づけをされています。この路線には、あまり乗り換えに適した駅がない点が難点かもしれません。しかし2区間しか離れていない新瀬戸駅では、愛知環状鉄道線への乗り継ぎができます。また名古屋市内に入ると、JRの中央本線や市営地下鉄の名城線と接続している大曽根駅が待っています。発着駅となっている栄町駅まで行くと、地下鉄の名城線のほか東山線への乗り換えのチャンスが生まれます。
尾張瀬戸駅の利用率は、21世紀に入ってからはたいした変化がありません。1日平均の乗客数については、数百人程度で細かな変動がありますが、大きな影響を及ぼすようなことにはなっていません。
現在の尾張瀬戸駅の周囲は、介護施設がさかんに建てられている土地ではありません。この駅を軸にして施設探しをしたいなら、思い切り距離を広々と設定したほうが正解でしょう。できれば5~10キロくらいの広範囲をターゲットにしたいところです。
しかし、バスやタクシーが発達している土地柄のため、駅から離れていることが必ずしもハンデだとは限りません。それに静かさや空気の良さといった美点に恵まれた施設がほとんどですし、何よりも相当に料金が安く設定されている施設がたくさん出てきます。入居一時金と月額使用料を合計して20~50万円くらいの施設を何軒も比較できます。施設のタイプもかなり多いですから、選ぶ自由はたくさん持てそうです。