心が洗われるような風景の中で老後を送れる

知多半島の南側を占める南知多町・美浜町・武豊町。
そして半田市と常滑市を挟んで北部中央に位置する東浦町・阿久比町。
これらの自治体を束ねて成立しているのが知多郡です。
日本全国で見ても2番目のスケールを持つ郡として知られています。
平坦でゆるやかな土地が多い知多半島では太古の昔から農業が盛んでしたが今もなおその伝統は残っており、心が洗われるような風景を目の当たりにすることができます。
特に阿久比町は農業熱がまだ高いエリアです。
もっとも近年は住宅地の建造ラッシュが全体的に進められており、それに伴い暮らしやすさがどんどん向上しています。
南端の美浜町と南知多町に関しては、豊かな海に囲まれた立地条件を活用して、海水浴場などのレジャー施設が立ち並び、観光で安定した収益を上げています。
また、知多半島道路が40年以上前に開通して以来、近場にある武豊町などは工場の誘致などに連続して成功しています。
独特の反転を成し遂げている点は要注目でしょう。
知多郡は、市制に移行していない地域としてはまれなことですが人口の減少に悩んでいません。
5つの町のうち、南知多町だけは人口低下がずっと続いていますし、美浜町も10年くらい前から減少に転じていますが、それ以外の町についてははっきりとした増加傾向にあります。
こういった違いは高齢化率にも表れています。
南知多町と美浜町はすでに30%の大台に達しているのです。
もっともそれ以外の地域も、すでに25%を超えています。
武豊町や東浦町ですら2012年の時点で21%を上回っており、介護関連のサービスに関して、官民一体で取り組む必要が強く感じられます。
知多郡の場合まだ老人ホームや高齢者専用住宅が豊富にそろっているとはいえません。
その点は今後の最優先課題となりそうですが、デメリットばかりではありません。
発展が続いているエリアであっても入居にかかる費用が都会などと比べて安めになるケースが珍しくないのです。
たとえば、介護付き有料老人ホームなどの施設はどうしても高額になるというステレオタイプがあります。
確かに入居一時金か月額使用料のどちらかが高額になるパターンが目立ちますが、知多郡の場合は両方合わせても40~50万円以内で間に合うケースが登場しています。
グループホームなどの、安さが持ち味の施設ともなると、両方の合計額が10万円を大きく割り込むケースさえあります。
これらのメリットはせっかくですから大いに活かして、負担の少ないシニアライフを実現したいところです。