豊かな自然を愛でながら、のんびりした暮らしを実現できる都市

神奈川県のほぼ中央からやや西寄りのエリアを占めている、伊勢原市。
市の北西部に行くと、丹沢山地や大山を中心とした国定公園に出くわします。
もともと農地が市内の大部分を覆っていた場所でもあり、いまだに自然が色濃く残っている自治体だといえます。
渋田側の川岸の芝桜など、自然の美しさを鑑賞できるスポットが大量にある点は、シルバー世代にとっては大きなセールスポイントになるでしょう。
しかし決して未開発の都市というわけではありません。
東京都内や都下、あるいは県内の都心部に関するベッドタウンとして利用されてきたため、伊勢原駅の周辺や愛甲石田駅(住所は厚木市内となっていますが)の周辺をはじめ、住宅地や商業施設がかたまった地域ではかなり便利な生活を送れるように配慮されています。
鉄道については、小田急小田原線と大山鋼索線くらいしかありませんが、国道や県道をはじめとした幹線道路を利用すれば市内外への移動で不自由を味わう心配はほとんどありません。
バスについても、神奈川中央交通がしっかりとした運行を提供しています。
市内の人口は、1970~80年代を過ぎても、とまることを知らない勢いで伸び続けていました。
しかし1990年代後半から急に失速します。
その後はほとんど横ばいに近い状態に変わったまま現在に至ります。
こうした事情から、将来的な人口減少を危惧する声もときどき出ています。
2023年の調査では人口9万9,910人、高齢化率26.8%となっています。
2035年までには高齢化率30%を超える予想も出ています。
要介護認定者数は2023年の時点で4,500名を超えていることが発表されましたが、介護保険料の改定をはじめ、同じ年にすでに市当局はさまざまな施策を打ち出しています。
市内の老人ホーム・高齢者専用住宅は、人口のスケールなどの都合もあって、数が多いほうだとはいえません。
しかし近年は、サービス付き高齢者向け住宅などが、サービスの質などで高く評価されるようになりました。
これらの住宅の中には、月額使用料が10万円台前半くらいから相談ができるところが目立ちます。
また、介護付き有料老人ホームなども、費用はもう少し割高なケースが多いものの、ちょっとした新設ラッシュが続いている模様です。
ちなみにグループホームや特別養護老人ホームなどを探す場合は、選択肢がより増える可能性があります。