高齢化がゆるやかな今は、介護施設の数は少なめ

約30年前に、隣接する早良区から独立する形で誕生した、城南区。
市内ではかなり小規模な区域ですが、油山や友泉亭公園といった住民の憩いの場や、福岡東洋陶磁美術館や末永文化センターのようなアーティスティックな施設が点在し、健康で文化的な生活を営めるエリアです。
ひと昔前は交通システムの不足が問題化しており、交通渋滞などが慢性的に起こっていましたが、2005年の福岡市営地下鉄七隈線の開通によってだいぶ解消されました。
その後も、福岡交通5号線の堤出入口や国道202号線(福岡外環状道路)などの工事が完了したために、住民の移動の活性化に成功しています。
バスは現在のところ、西鉄バスが進出しており、日常的な区民の移動を一手に引き受けています。
城南区は人口密度の高さがだいぶ前から指摘されているエリアです。
その背景には、人口の安定した推移状況があると思われます。
区が発足して以来、人口はゆるやかに伸び続けていましたが、21世紀に入ってからはほとんど変化が見られなくなりました。
2023年には人口12万6,243人との調査結果がでました。
もともと高齢化率の進行速度の遅さで有名な福岡市ですが、城南区においても2023年に25.6%と、福岡県内で見ても全国区で比べてもかなりの低さにとどまっています。
もっとも2040年までに30%を超えるという予測が出ており、福祉政策の手を緩めてよい段階ではありません。
現在の城南区で老人ホームや高齢者専用住宅を検索する場合、まず目に付くのはグループホームの数の多さかもしれません。
認知症が認められる高齢者を抱えている家庭にとっては、ありがたい結果を見込めそうです。
それから特別養護老人ホームのような、完全に行政が管轄する施設はコストの安さなどの理由から人気が自然と集中しています。
民間の施設についてはまだ数が多めではありませんが、設備へのこだわりなどをチェックするとよそではお目にかかれない豪華さを体感できる可能性があります。
現在の城東区内では、極端に安い民間の施設はかなり少数に限られるため予算面でゆとりがない場合は別ですが、そうでもない場合なら民間の施設は見学する価値がおおいにあると思われます。