秋を感じるようになり、朝晩が冷え込むようになりましたが、体調など崩されていないでしょうか?秋と言えば食べ物をおいしく感じる季節で「食欲の秋」とも言われています。
食材ではさつまいもやきのこ類を料理に使うことが増えてきますね。
その中でも今回はさつまいもにスポットを当ててみたいと思います。
さつまいもにはどんな栄養がある?
さつまいもには、さまざまな栄養素が含まれていますが、そのうち代表的なものを紹介します。
1.腸内環境を整えてくれる食物繊維
さつまいもには食物繊維が多く含まれており、善玉菌のエサとなることで腸内環境を整えてくれます。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性の食物繊維は水に溶ける性質を持ち、腸の中で水を含むとドロドロのゲル状になります。
それを腸内の細菌が食べることで腸内での発酵が進みます。その際、微生物の働きによって物質が分解され、人間の体にさまざまなメリットをもたらすものに変化します。
また、不溶性の食物繊維は水を含むと膨張して、強い繊維の力で腸の中にたまった不要物をからめとりながら大便を大きくします。その際に腸のぜんどう運動を促し、腸の働きをよくしてくれます。
さつまいもはこの2種類の食物繊維を含んでおり、腸内環境を整えて老廃物を排出することで肌の調子を整えてくれる効果も期待できます。
2.美肌効果にも期待できるビタミンC
ビタミンCは、肌のシミ対策や炎症に効果的といわれる栄養素です。さつまいもにはリンゴの約5倍のビタミンCが含まれており、ビタミンEを同時に摂取することで、より美肌効果を発揮するとされています。
ビタミンCには細胞の酸化を抑える抗酸化作用もあります。細胞を酸化から守ることで、体の中から美しくなることが期待できます。
3.糖質の代謝を助ける・疲労回復に役立つビタミンB1
さつまいもに含まれるビタミンB1は、脳にとってのエネルギー源であるブドウ糖をエネルギーに変換するときに欠かせない栄養素です。ビタミンB1が不足すると疲労感や食欲の低下を引き起こし、ストレスを感じやすくなってしまいます。
4.むくみ対策にも有効なカリウム
さつまいもに含まれるカリウムは米の約18倍含まれています。このカリウムとは人体に必要なミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。
ナトリウムを排出する作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節する上で重要です。余分なナトリウムを体外に排出してくれるので、むくみ対策に有効です。

高齢者・介護者も簡単にできるレシピ
ここからは、高齢者や介護者の方でも簡単につくれるレシピを紹介します。同じさつまいもでもいろいろな調理法があるので、ぜひつくってみてください。
その1【ふかし芋】
電子レンジでさつまいもを加熱すると短時間での調理ができます。
【つくり方】
- さつまいもを皮ごときれいに洗う
- さつまいものへたをカットしてキッチンペーパーで包む
- キッチンペーパーごと全体をしっかり水で濡らしてサランラップで包む
- さつまいもを耐熱皿にのせて200Wで10分加熱し、竹串を刺してすんなり通れば出来上がり(芋の大きさでレンジの時間は変わります)
短時間での加熱により、さつまいもに含まれるデンプンが糖化することがないため、昔ながらのホクホクとした甘さ控えめのさつまいもができます。
料理などでお使いの場合は、ビタミンの損失が少なくなるので時短調理におすすめです。また、さつまいもは皮ごと食べることで皮に含まれるビタミンCなどを摂取することもできます。
その2【さつまいもと鶏の煮物】
【材料】
- さつまいも:小1本
- しいたけ:3個
- 鶏肉1枚
- ※めんつゆ:大さじ3
- ※砂糖:大さじ1.5
- ※みりん:小さじ1
- ※料理酒:小さじ1
【つくり方】
- さつまいもをよく洗い、皮ごと一口大に切る
- しいたけと鶏肉も一口大に切る
- ①と②の材料と※を鍋に入れて煮る
その3【さつまいもとチーズのおやき】
【材料】
- さつまいも:中2本
- ※レンジでやわらかくしたクリームチーズ:50g
- ※砂糖:20g
- ※牛乳:適量
- ※マヨネーズ:適宜
【つくり方】
- さつまいもはよく洗って、皮付きのままアルミホイルで包み、フライパンやダッチオーブンなどでじっくり焼く。(レンチンでも可)
- 熱いうちに皮をむいて潰す。(やけどに注意)
- ※を加えてよく混ぜ、1つ20~25gに丸め、アルミカップに入れてトースターで焼き色が付くまで焼く
- 焼く際にマヨネーズを塗ると焼き色が付いておいしくなる
食べきれない場合は、1、2個ずつラップに包み、ジップロックに入れて冷凍保存できます。
その4【さつまいもサラダ】
【材料】
- さつまいも:中1本
- 大豆の水煮:50g
- ベーコン:2枚
- ミックスベジタブル:大さじ2
- いりごま:適量
- マヨネーズ:大さじ1
- (あれば)マスタード:小さじ1
- 塩こしょう:少々
【つくり方】
- さつまいもをよく洗い、一口大に切ってレンジでやわらかくする
- ベーコンを一口大に切り、フライパンで焼いて冷ましておく
- ①と②と熱湯を通したミックスベジタブルと水煮大豆をボウルにいれ、塩コショウ、マヨネーズ、マスタードと和える。

高齢者にさつまいもを提供する場合は水分や脂肪分を合わせて調理することで、のど越しもよく安全に食べることができます。
咀嚼や嚥下しやすいように小さめに切ることもおすすめです。さつまいもがおいしく食べられるように工夫しながら、たっぷり栄養も摂ってください。