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第214回

デュアルタスクで認知機能を向上!室内で遊べるスナッグゴルフとは

最終更新日時 2021/04/01
#介護予防
終活カウンセラー協会認定講師でゴルフジャーナリストの小川朗です。今回は「スナッグゴルフの認知症予防効果」に注目したいと思います。

終活カウンセラー協会認定講師でゴルフジャーナリストの小川朗です。

この連載の第183回で「フレイル予防にゴルフシミュレーターが有効である」とお話ししましたが、今回はさらに踏み込んで「スナッグゴルフの認知症予防効果」に注目したいと思います。

認知機能低下を防ぐにはデュアルタスク運動が有効

認知機能の低下を防ぐには、有酸素運動をしながら頭を使うデュアルタスク(二重課題)運動が有効であることをご存じの方も多いでしょう。これに関連する内容で、ウィズ・エイジングゴルフ協議会がゴルフを行うことで、認知機能低下の予防になるという検証結果を発表しています。

この検証は国立長寿医療研究センターが代表となり、東京大学と杏林大学が評価・検査機関として協力したものです。同協議会が男女65歳以上でかつ習慣的に運動を行っていない高齢者を募集しました。

集まった135人の中から認知症やパーキンソン病、運動を禁止されている人以外を選定し、2大学で認知機能と運動機能、QOLなどの事前審査を実施。そのうち、106人をゴルフ教室組とゴルフをしない健康講座教室参加組の2つのグループに等しく分けました。

ゴルフ教室組は2018年に日高CC(埼玉県)で半年間さまざまなレッスンを受け、一方の健康教室組は期間中に健康促進をテーマにした90分の健康講座教室を2回受講したのみです。

研究期間終了後、2つのグループの参加者に認知機能検査やQOL、傾向などを検査しました。その結果、ゴルフ教室組には文章を覚える検査、覚えた後すぐ思い出す検査、覚えてから15分後に思い出す検査、それらの総合スコアに向上する結果が見られたそうです。

ゴルフ教室は記憶力が向上

安全・簡単にプレイできる「スナッグゴルフ」

ウィズ・エイジングゴルフ協議会が検証した研究結果に、一部の介護関係者は早くから注目していました。例えば、新潟で複数の介護施設を営む、終活カウンセラー協会理事の井上智則さん(ケア・クリエイト・アソシエーション代表取締役)。彼もお子様と一緒にプレーされるなど、日頃から熱心なゴルファーですが、その井上さんが今注目しているのが、「スナッグゴルフ」です。スナッグ(Snag)は「Starting New At Golf(ゴルフをはじめるために)」の頭文字を取ったものとなります。

普通のゴルフとどこが違うのかと言うと、まずクラブはプラスチック製で、通常のゴルフクラブのヘッドよりはるかに大きくつくられています。また、ボールはテニスボールを小さくしたものとなっているので、普通のゴルフと比べて安全かつやさしくプレーできるのが最大の特長。グラウンドや空き地、室内でも、場所を選ばず手軽にできることも大きなメリットです。

初心者でもはじめやすい「スナッグゴルフ」

実際にプレーしてみると、ゴルフの基礎的な要素はすべて備えているのを実感します。用具やプログラムには、基本技術であるフルショットやピッチショット、チップショット、パッティングが網羅されていて、ルールもわかりやすく広さの限られている場所でも十分に楽しめます。

そのため、スナッグゴルフはこれまで、子どもたちがゴルフをはじめるための助走路的な役割として注目を集めていました。スナッグゴルフ経験者の畑岡奈紗選手が2016年に高校生アマチュアとして日本女子最高峰の日本女子オープンを制覇。翌年はプロとして連覇を果たし、2019年にも同大会に優勝したことも、スナッグゴルフの人気に拍車をかけました。

介護施設で取り入れている事例もある

スナッグゴルフは、子どもだけでなく、高齢者にとっても有益なスポーツです。筆者も3年前、ある雑誌から依頼されて、スナッグゴルフの特集を組みました。その際に「親子で回ると必ず親の方がムキになってハマっちゃう」という声を、多くの施設関係者から聞いています。

当時から多くのシニア層がスナッグゴルフにのめり込んでいました。いくつかの地域スポーツ団体でもシニア向けのプログラムに組み込まれており、廃校となった校庭などを使って開催されるほどです。

前述した終活カウンセラー協会理事の井上さんも、SNSで幼児教育にスナッグゴルフを取り入れている幼稚園の園長先生と知り合い、機能訓練の一環として活用している高齢者施設があるとの情報も得ています。井上さんは下記のように語っています。

「いろいろと資料などを調べてみると、それほど多くはないものの、実際に導入されているデイサービスなどの施設もあって、認知症予防にゴルフ自体が効果的だという研究結果もありました。(利用者の方々を)ゴルフ場まで連れて行くのは難しいかもしれないけれど、スナッグゴルフであれば室内でもできます。そして認知症予防やフレイル予防にもなるならば意味があると思いました。

私も認知症専門の研修をしている身でもあり、デュアルタスクで脳を活性化させるトレーニングなどを現場で行っています。左脳と右脳で違うことをする、例えば自分の右手と左手でじゃんけんをするなど、違う行動をすることで脳が活性化されることは昔から言われています。特に運動をしながら脳を使うゴルフにおけるデュアルタスクが、さらに効果的だということは惹かれるところではありますよね」

デュアルタスクを行うことで脳が活性化

限られた環境でもできることを選択しよう

スナッグには「くっつく」という意味もあるそうです。ゲームで使用するターゲット類は、ボールがくっつくようにつくられています。この特長によりゴルフとは違った楽しみ方もできるのです。井上さん曰く、番号をつけた的を壁に掛け、ストラックアウトのように点を競い合い、ときにフルスイングを行うこともできるようです。「体を動かしながら、頭を使う」というデュアルタスクが室内で行えるスナッグゴルフは、スペースが取れない施設ほど、効果を発揮するツールであることは間違いありません。

ただ、遠くへ飛ばすためのクラブ「ランチャー」や、パターの役割を果たす「ローラー」、ティーが3個付いたマット、スナッグボール6個パックをすべてあわせて1万6,060円(税込み)。決してお安い値段とは言えません。そこで検討していただきたいのが、スナッグゴルフのセットを7泊8日、往復送料・税込み4,400円(北海道・沖縄・離島は5,500円)にてレンタルできるサービスです。

スナッグゴルフで自信をつけてゴルフデビューするも良し、それで再び元気を取り戻してゴルフ場に帰って行くのも良いと思います。スナッグゴルフは、健康寿命を延ばす期待も担っています。

スナッグゴルフをしている高齢者の様子

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