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ニッポンの介護学

第230回 “終活”を意識している人はもはや8割超!その理由は?やり残したことは?30代・40代からでも考えたい、終活事情最前線!

広がる終活、少子高齢化を背景に

終活という言葉が広がりを見せています。2009年頃から登場した言葉で、人生の終わりについて、自分でその最期を決定し、出来る限り近親者の迷惑をかけないようにしていくものです。

少子高齢化が問題になる前までは、終活は行われることはほとんどありませんでした。なぜなら、一組の夫婦から10人の子供が生まれることも珍しくなく、自分が死んでもそれほど残された側に負担はかからなかったのです。

しかし、最近では子供が一人しかいないことも当たり前になり、死後は子供に大きな負担がかかるようになりました。また、大企業の役員ともなると、社葬が行われることもあるかもしれませんが、そうでない人が大半を占めるため、一般的には葬儀は近親者の手によって行われます。

戦後の高度経済成長期を生きてきた団塊の世代は、モノがあることが豊かであるという思いが強く、死後に莫大なガラクタを残してしまいます。本人にとっては宝物でも、残された側にとってはそうではないこれらの荷物を、子供が一人もしくは二人で片付けなくてはならないのです。

そのような負担を軽減するためにも、終活は生まれました。認知症になったとき、寝たきりになったとき、そして昏睡状態になってしまったとき、自分をどうしてほしいか、あらかじめ元気なうちに希望を書き残しておくことなども、終活の目的のひとつです。

高まる終活の認知度と、実施状況

全国の60代、70代にアンケートを取ってみると、実に80%が、終活について「知っている」と答えました。高齢者の間で、終活という言葉は認知を広げているようです。

『終活』の認知状況
  知っている(79.5%)
  聞いたことはあるが意味はよく知らない(13.5%)
  知らない(7.0%)
7%13.5%79.5%
 
出典:マクロミル

終活を、葬儀や墓の準備、生前整理、財産相続の計画などを指すと定義した上で、あらためて終活の実施状況についてたずねると、すでに終活にあたることを行っている人が8.9%、近いうちに終活を始める予定である人が8.5%、予定はないが、時期が来れば終活を行いたいと考えている人が56.2%もいることがわかりました。実に73.6%もの人が、終活を行い、または終活を行う予定でいることがわかったのです。終活はかなり認知度が高まり、一般に浸透している言葉だということがわかります。

終活を行おうと考える理由としては、「家族に迷惑をかけたくないから」という理由がトップで、70.7%もの人が、残された家族を案じて、終活を行おうと決心しています。次に多いのが、「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」というもので40.4%です。終活は家族のために加えて、自分のためという見方もできるようです。また、「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」と答えた人も31.5%ほどいました。

いつ死ぬかは誰にもわからないが、必ず死は訪れます。そのお膳立てを、自分の手で行いたいという理由です。また、「これからの人生をよりよく生きたいから」という前向きな答えも20.2%程度見られました。

まずは気軽にエンディングノートから始めよう

終活に関心のあるみなさんが、具体的にどのような終活を行っているかアンケートを取ってみました。すると、「エンディングノートを書く」が第一位でした。その次に「遺言状を書く」「かかりつけ医を決める」「遺品整理をする」と続きます。

終活を行う理由

まずは気軽に、書きやすいエンディングノートをつけるところからスタートしてみませんか?名前、生年月日、血液型、住所、現在かかっている病院名、病気名などの基本情報から。そこから自分史を書いてみるのも、いいでしょう。友人・知人・親戚リストを整理して、預貯金や株式、不動産、有価証券や金融資産、借入金・ローンなどの資産と負債の情報をまとめます。保険の情報や、介護が必要になった場合に、誰にどのように資産を管理してもらいたいかなども整理します。

葬儀のことなどについても、あらためてエンディングノートに書いておきます。葬儀業者や会場、葬儀の費用、宗教・宗派、戒名・法名、葬儀の規模などについても、まとめておきましょう。

携帯電話やパソコンのIDとパスワードも、引き継げるようにしておくと、故人のことを残された人がデジタル上で偲ぶことができるようになります。

お墓のことも忘れずに。希望する埋葬方法、お墓の費用についてなども決めておきましょう。

形見分けや遺言状などの整理も忘れずに。そして、何より大切なことに、自分の身の回りの人へのメッセージも忘れないようにしてください。こうしたエンディングノートなら、書きやすいですし、書ける項目から書いていけば良いのです。

遺言状を書いたり、遺品整理をしたりするのは、なかなか高齢の身となると一人では難しいものです。元気なうちに、誰かの力を借りて身辺整理しましょう。多少は面倒かもしれませんが、すべて、残された近親者に迷惑をかけないためです。

自分の引き際を自分で綺麗にするためにも、遺言状や遺品整理は欠かせません。後からやろうと考えていても、高齢になればなるほど、やるのが面倒になって、また肉体的にもできなくなってしまいます。ですが、放置すればするほど、何もせずに亡くなった場合の、家族の負担が増えるのです。そのため、エンディングノートが書けたら、次は財産の整理に積極的に乗り出したいところです。

どのような終活を行っていますか?
  エンディングノートを書く(354票)(50.4%)
  遺言状を書く(106票)(15.1%)
  家族にあてたメッセージを残す(32票)(4.6%)
  遺品整理をする(35票)(5%)
  お墓について考える(33票)(4.7%)
  成年後見制度について把握する(20票)(2.8%)
  信頼できる人とのネットワークを形成する(34票)(4.8%)
  かかりつけ医を決める(74票)(10.5%)
  その他(15票)(2.1%)
10.5%4.7%5%15.1%50.4%
 

旅に出よう。人生でやり残したことでもっとも多いのは「旅行」

さらに、アンケートを進めていくと興味深い事実に突き当たります。終活を行おうと思っている人、行っている人のうち、56%が、「これまでの人生でやり残したことを行う」を希望していました。全体の60%もの人が、「人生でまだやり残したことがある」とも回答しています。

やり残したことは何か?圧倒的に多かったのが「旅行」でした。世界一周や夫婦での二人旅、海外旅行など、37%もの人が、やり残したこととして旅行を挙げていました。旅に出るなら元気なうちです。

次に多かったのが、子供や孫に関する内容です。子供の結婚や孫の成長を見届けたいなどの人が13%おり、自分の血を分けた子供や孫を、最後まで気にかける様子が見て取れます。後悔しないためにも、やり残したことがないように、今の人生を精一杯生きてみませんか。

『人生でやり残したこと』の有無
  ある(59.5%)
  ない(40.5%)
40.5%59.5%
 
出典:マクロミル

終活はこれからもブームとして続く

終活は基本的に、自分の始末を自分でつけるということなので、とても前向きなことだと考えられます。

少子高齢化で、数多くの高齢者を少ない若者が支えている現状、その高齢者が自ら進んで死後の身辺整理を行い、愛する人へのメッセージを残してくれるのは、とても良いことでしょう。高齢化社会の中で、モノに囲まれた生活を豊かだと思っていた団塊の世代の後片付けをするのは、残された家族にとって大変な負担です。

30代、40代からでも終活は可能です。いまのうちに自分の身辺を整理して、心と体と周辺環境を軽くしておきましょう。体が元気なうちに、やりたいことはやり尽くしておきましょう。あとあと後悔しないためにも、自分の生きてきた証をエンディングノートに刻むことは、とても価値あることです。

人生が100年にもなりつつある時代です。終活はこれからもブームとして続いていくでしょう。多くの人がより良い最期を迎えて、気持ちよくこの世を去れるように、終活は必要なのです。

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匿名
匿名 さん

みんなのコメント

  • 匿名 さん

「頭がしっかりしている50代、60代から決めておくべきだと思います。」
50代60代と言わず、この記事のタイトルにもなってるように、もっと早くから準備していいと思いますけどね。
50代60代まで頭がしっかりしていられる保証はないし、極端な例えをすれば5分後に生きていられる絶対保証もないんだから。
責任ある立場の人や養う家族がいる人は特に、年齢に関係なく準備しといた方がいいだろうし。
一人気ままに生きてる人であっても、自分の最後に対する準備は元気なうちにしといた方がいい。
自分は40代だけど守り養う家族が何人かいることだし、自身の最後への準備や相続準備はしてますよ。

2017/03/14 12:05 違反報告

自分の終わり方を自分で決めるのは、義務としてやるべきでしょうね。
自分の最期の後始末は、頭がしっかりしている50代、60代から決めておくべきだと思います。
私も準備しなくては。

2017/03/14 09:58 違反報告
  • 匿名 さん

金とか土地建物といった財産があろうがなかろうが、死に向かう時も死んだ後も人様の世話になるんだから。
世話してくれる人への礼儀も兼ねた終活は、しといた方がいいだろうね。
あっさりぽっくり短時間で死ねるとも限らないし、延命治療はしたくないと思ってるならその事を意思表示しとかないと、いざって時に困るのは周りだろう。
終活するほどの財産は無いけど、自分が死期を迎えた時のための終活はしないとなぁ。

2017/03/11 11:42 違反報告
  • 匿名 さん

41で弟が肝硬変で死に、71でもう一人の弟が多臓器不全で死に、姉は79で老衰。
その他には生まれて間もない時に3人の弟妹が病死している家の父親は84の現在まで生きてます。

親は100の今でも生きておられその息子は67で死去したなど物事というのは身内同士でもバランスを取りそれで平均化しているように思います。
100まで生きるようになる人もいるし65で死ぬ人もいるし
全てが長生きするものでもないですね。
神にしかいつまで生かされるのかは分からない気がします。
しかし不安ばかりで生きる事の喜びなど自分にはほぼないです。

2017/03/11 10:52 違反報告
  • 匿名 さん

親から受ける価値のある家も土地も貯金もないので終活は私達兄弟には関係ないなと思いました。

2017/03/11 10:45 違反報告
  • 匿名 さん

団塊世代が、大挙してご逝去をされる時期ですので、終活ビジネスが俄かに活気づいているようです。
詐欺まがいや、無暗に信用をして資産を奪われるや、多額の不当な請求などに合わないように注意しないといけません。

2017/03/10 21:45 違反報告

>終活は基本的に、自分の始末を自分でつけるということなので、とても前向きなことだと考えられます。
>多くの人がより良い最期を迎えて、気持ちよくこの世を去れるように、終活は必要なのです。

このご意見には、同意しますが。

>終活はこれからもブームとして続いていくでしょう。

このご意見には、疑問を感じます。
ブームと言うより、必要性がある事柄なのでは?

平均寿命という値を元に、「長生き」「早死に」の判断をしがちですけれど。
生まれた以上、いずれ必ず訪れるのが死。
それがいつ、どんな形で訪れるのかは、全くもって予測不能です。
最期が近づいた時、延命治療などをして生き続けたいのか、
極力自然な形で旅立ちたいのかは、判断力正常で意思伝達が出来る内に、
文書で明らかにしておいた方が良いでしょうし。
相続人が複数名いるのなら争いにならない様、死後財産の行方を
公正証書遺言で明確にしておくのが賢明でしょう。
自身の命が絶えた時は、身内や死後事務委任契約者に、
葬儀・納骨・遺品整理など細々とした事をして頂くのですから。
自身の死を伝えて欲しい相手や、葬儀形式と場所・予算、埋葬場所などの
指示は予めしておくのが、後を任せる事になる方々への礼儀かなと思っています。

本記事のライターさんが仰る様に、子沢山だった時期と少子化した現代とを比べれば、
少人数もしくは単身で親の介護からお見送り、相続手続き、遺品整理などを
しなければならない現代の「子」の方が、様々な負担は大きいでしょう。
戦争や貧困が有り医療技術も乏しく、命を落とし易い厳しい状況だった頃と、
高度経済成長でモノが溢れ、医療が発達して平均余命も延びた現代では、
生活環境も価値観も道徳観も大きく様変わりしています。
子沢山=兄弟姉妹沢山であれば、親御さん介護も(不仲で無ければ)
分担しようと思えば出来たでしょうけど。
一人っ子であれば相続争いが無い代わりに、
介護から死後事務の全てを単身で担う事になります。

終活、という概念が今ほど社会に広がる前から、必要に迫られて、
所謂「先々の備え(遺言書準備、後見制度の学びなど)」を始めていました。
そのきっかけとなったのは、末期癌で急激悪化していった亡母の
重篤介護〜お見送り、相続手続き。
平均寿命まで生きられる保証は、どこにもない事をイヤと言うほど思い知り、
一人っ子であった事や、当時存命だった父がアテにならなかった事などから、
影の喪主として葬儀を取り仕切る事も経験しました。
母を見送った30代後半で様々なモノ(家業、複数名の高齢家族ケア)を
担う立場になり、「自身の先々準備」を始めた時は、各方面へ相談する度、
「先々の準備をするには、年齢的にまだ早い」と苦笑されていましたが。
その言葉を鵜呑みにして何の準備もせず、思わぬ早さで命を終えたとしたら、
それこそ「死んでも死にきれない」事でしょう。

自身が担っているモノ(家族や仕事など)が何であり、どれほど有るのか。
それらにどこまで責任を持ち、生きている間にどれだけのケリをつけたいのか。
道半ばで命が終わるか、命有っても動けない容態となってしまった場合を想定し、
どの様な備えをしておけば、遺されたモノが最低限困らずに済みそうか。
エンディングノートにしろ遺言書にしろ、後見制度や民事信託の利用にしろ、
終活という言葉に含まれる事柄は、後に遺された方々への
マナーや思いやりなのではないかと思います。

個人的な意見を言えば、
「人生が100年にもなりつつある時代です。」にはゾッとします。
心身共に元気で、自立生活できる100年人生なら、話は別ですが。
やりたい事と、しなければならない事とは、別モノですけど。
自身の身仕舞いをしつつ、しなければならない事をし終えた時、
心身がまだ元気であるなら、長期旅行などやりたい事を堪能してから、
極力苦痛少なめに人生を終えたいものです。

2017/03/10 19:48 違反報告
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