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相続トラブルの傾向と対策

相続を「争族」にしないために

相続に関する相談数は増加の一途

司法統計年報による1996年から2010年にかけての相続関係の相談件数・家事手続き案内件数の推移

世界でもトップクラスに入る長寿国・日本、高齢者の介護関連の課題や問題が、政治やニュースの話題として出ない日はないほどの日常となっていますよね。これは多くの高齢者の方々が、誰かから介護サポートを受けて生活を送る国ならではの状況。

そういったニュースのほとんどが「介護現場の過酷な日常」など、課題や問題といった切り口から取り上げられています。どんなに愛している家族であっても、費用も労力もかかり心身ともに消耗してしまう人が年々増加。さまざまなトラブルへと発展しています。

誰か一人に負担がいかないように家族みんなで一緒に介護ができれば良いのです…だ、実際にはなかなか難しいもの。遠方に住んでいる家族には日々のケアは難しいですし、小さな子どものいる夫婦や子どもが多い家庭では、手を貸したくても貸せません。

加えて昨今の経済情勢もありますから、とにかく自分の家族を守るだけで精一杯という方も珍しくはないのです。

夫婦双方の親に介護が必要になることも

夫婦双方の親に介護が必要になった場合に相続トラブルを引き起こさないための方法

また、当たり前の話ですが夫婦の場合はそれぞれの両親がいます。二人で両方の親の介護をすることが難しく、どちらか片方だけで手いっぱいとなるケースも問題に。夫婦双方の両親に介護が必要となり、どうしても片一方の介護だけで手一杯という状況になるケースもあります。

また、介護をする人の問題だけでなく、少々悲しい話ではありますが金銭を巡るトラブルも増えています。お金の問題は大変デリケートですから、生前はなかなか言い出せない問題ですから、さらに大きなトラブルへと発展することも珍しくはありません。

少子高齢化と呼ばれて久しい現在、さらにこの問題は加速していくでしょう。一人あたりにかかる介護負担がさらに増えていくのも明らかですよね。

介護をした場合の相続

まずは法定相続人かどうかが重要

民法上では、法定相続人の範囲と法定相続順位がしっかり決まっています。簡単に言うと誰が相続できて、その順位は誰がいちばん高くなるのか…といったところ。さらには「相続割合」と言って、遺産の何分の一を分配されるというところまで制定されています。

ですから、いくら介護を献身的に行ったからと言って、法定相続人の範囲に入っていない人物は当然、相続権はないことになります。

法定相続人の順位についての説明図、配偶者と子供が相続人である場合は配偶者1/2に対して子供(2人以上のときは全員で)1/2、配偶者と直系尊属が相続人である場合は配偶者2/3に対して直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3、配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合は配偶者3/4に対して兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4

法定相続人の範囲に入っていなくても、介護を行う場合があります。よく取り上げられる事例ですと、事実婚で内縁関係の夫婦のケース。当然、事実婚とは言えども配偶者に介護が必要となれば介護を行うでしょう。しかし、内縁関係の場合は正式な夫婦ではないとされ、法定相続人になれません。いくら尽くしたとしても相続の権限自体がないのです。

では、事実婚を選択した場合はパートナーに一切遺産を残せないのかというと、そうではありません。遺言書に遺贈の希望を記す事で、内縁関係のパートナーに財産を残すことは可能。ほかにも、指定することで生前お世話になった人に遺産を渡すことはできます。

しかし、ここでもやはり問題が発生することが。他に法定相続人が存在する場合、法定相続人は遺言書に書かれていなかったとしても遺留分を要求できます。内縁のパートナーに遺産のすべてを渡したいと望んでも、実際には希望通りにはいかないかもしれません。

介護に積極的だったかどうかは法律上は考慮されない!?

相続にあたって介護に積極的だったかどうかは相続の順番や割合が考慮されない

誰よりも私は介護をしたのに…と、今までたくさんの時間やお金を費やしてきた人であれば、せめて遺産を他の兄弟よりもらいたいと望むのは当然です。しかし、民法上では他の相続人よりも介護を行ったからといって、相続割合が優遇されるということはありません。

例えば被相続人(両親のどちらかなど)の子どもが3人いたとします。「1人が献身的な介護をして、他の2名は何もしなかった…」といったケースでも、基本的に平等な相続が行われます。

いくら遺産が欲しいわけではなかったとしても、腑に落ちない結果ですよね。「介護は不平等・遺産は平等」といった事実から、兄弟間で争いが起こるのは珍しいことではないのです。特に被相続人が資産家の場合、縁を切る事態にまで発展することも。

こういったケースを避けるために有効なのが遺言書。生前に被相続人が「介護をしていた者にこれだけの額を法定割合にプラスして受け渡します」といったような意向が書いてあれば充分考慮されます。

しかし、遺言書の内容も決定的ではありません。たとえはっきりと遺言書に書かれていたとしても、他の兄弟姉妹からの反対があれば、その通りにならないことも多いのです。

裁判所の判断に委ねるのは最終手段

相続について裁判所の判断に委ねるのは最後の手段

どうしても遺産(寄与分)に納得がいかないときは、裁判所に訴えることも可能。ここで大きな問題となるのが、寄与分についての考え方。実は、寄与分は「どれくらい介護に協力したのか」ということに対してあまり考慮されていません。正確には「被相続人の生前において、被相続人の財産の維持又は増加に貢献した者がいる場合、それを遺産分割において考慮する」。

つまり分かりやすくドラマや映画の世界で例えるならば、親の会社を手伝ってまったく介護に非協力的だった子と、家族として最期まで献身的な介護で看取った子とは同じ権利があると考えられるのです。

民法上では「親の老後の世話は子どもとしての当然の義務」であり、もっとキツい言い方をすると「親の介護をすることは当たりまえだから、考慮の余地は少ない」という考え方。ですから、10年以上老人ホームの入居費用は全部支払った、他の兄弟は無視をしていた…など、よほどの不平等な負担でないと、申請自体が却下されてしまうのが現状のようです。

介護は子ども全員に与えられた義務

介護問題は兄弟姉妹できちんと話し合いましょう

相続時に家族や親族・兄弟間で揉め事が起きないように生前によく相談しておくことが大切

入居者自身に十分な財産があれば、介護施設への入居も考えられます。しかし、すべてすぐに使える現金で所持しているとは限りません。土地や家などの不動産になっていて、しかもそこに住んでいる家族がいるとなれば、「財産はあるけれども介護費用に使えない」状態に。

そうなれば、介護をしている家族が持ち出し分として支払うしかなく、精神的にも不安定な状態になりますよね。

介護をする人、そして相続の問題はどうしても見て見ぬふりをしているもの。まだ本人が存命なのに遺産とかお金の話なんて…と抵抗感を覚える家庭は非常に多く、一種のタブーになっている場合もあります。

しかし、そのまま放置をしていても相続の段階でトラブルになる可能性は非常に高いもの。介護は、できる人の仕事ではなく、兄弟それぞれに与えられた義務です。親の介護が必要になった段階で全員が集まり、日々の介護について、さらにそれにかかる費用負担について、そして遺産相続についてを話し合いましょう。

前述した民法上では「介護をした私にもらえる権利がある」と主張をしても、厳しいですが個人的な感情とされます。負担を考え、相続時に全員が納得できる話し合いをすることをおすすめします。できれば文書に残すなど、口約束ではなくかたちに残すこともポイントです。

相続トラブルと老人ホームとの関連性

一昔前は兄弟が複数人いて…といった家庭が当たり前。しかし、現在は2人兄弟が多くなっています。結婚をし、最大4人の親が健在となれば、どれほどの介護が必要なのか想像もつかない場合がほとんど。

兄弟もそれぞれの人生を歩んでいると、自分ではないもう一人の兄弟が介護ができるとは限りません。結局誰か一人の負担になるというケースは多く、心身ともに疲れ果ててしまう人も少なくはないのです。

このようなときは無理をせず、老人ホームなどの介護サービスを利用しましょう。自宅で介護をするよりもお金はかかりますが、その労力と精神的負担は軽くなります。

自分の生活を犠牲にしてまで介護を行う状況を乗り越えて、最期にそれを主張したら相続問題が発生するかもしれません。それよりも、最初に兄弟姉妹と相談して、使える福祉サービスを有効的に使った方が、介護する側もされる側も気持ちが良いのではないでしょうか。

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