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ケアマネージャーの本音と実態

介護サービス受給には欠かせない存在のケアマネージャー

幅広い資質が求められるケアマネージャー

ケアマネージャーに求められる資質について

介護プランの作成や、介護事業所・医療機関との調整、申請作業など介護保険を利用する際に必要な煩雑な業務を担当してくれるケアマネージャーは、介護保険に関する知識も深く、現場のことをよく知った上で、要介護者・要支援者の快適な介護生活をサポートしてくれる大切な存在です。

しかしながら、膨大な仕事量や利用者からの様々な要望と介護制度の実態との狭間で頭を悩ませるケアマネージャーも多く、申請や書類作成だけでなく利用者の悩みをじっくり聞く時間がない上に、待遇面でも不満を持つ人が多いという調査結果も報告されています。

現に、「みんなの介護アンケート」で行った調査によると、月に休日出勤を5回以上しているケアマネージャーは約4割。月初や月末など忙しい時期の1日あたり残業時間が3時間以上という方も全体の65パーセントにも上っています。

【みんなの介護アンケート】ケアマネージャーの方に質問です。月末・月初の1日の残業時間は平均で何時間くらいですか?
0時間(残業なし)(16票)
1時間(110票)
2時間(30票)
3時間(168票)
4時間(69票)
5時間以上(53票)
itemcount
0時間(残業なし)16
1時間110
2時間30
3時間168
4時間69
5時間以上53

一方で、利用者からは最適なケアプランを作成してもらえていないのではないか?介護保険料が高かったり、充分なサービスが受けられなかったりするのはケアマネージャーの力量不足によるものなのではないか?など、介護サービスに対する不満がケアマネージャーに集まっている実態もあります。

確かに、特定の法人と連携した居宅介護支援事業所に所属するケアマネージャーのなかには、所属法人のサービスを優先的に紹介しているケアマネージャーもいると言われていますが、介護保険制度の枠の中で最適な介護サービスのケアプランを作成しようと思っても、制度の制約からできなかったり、そもそも担当する高齢者の数が多すぎてじっくりと問題に向き合うことができなかったりするという実態も垣間見えてきます。

そこでここでは、ケアマネージャーを取り巻く実態と本音についてご紹介してみたいと思います。

ケアマネージャーの役割

ケアマネの仕事とは?

ケアマネージャーの仕事についての説明・求められる役割について

そもそもケアマネージャーとは、介護保険制度に基づき、介護が必要な高齢者のためにケアプランの作成をしたり、実際に介護サービスを利用するための調整・管理、介護保険利用のための申請を行ったりする仕事を担っています。

一人一人の利用者の介護度や在宅か施設入居かなど希望する生活のスタイル、財政状況などをしっかりと把握し家族や要介護者本人の意向を最大限活かすために尽力するケアマネージャーは、在宅介護を選ぶ要介護者やその家族にとってなくてはならない存在です。同時に、「いい介護はいいケアマネージャーから」と言われる通り、ケアマネージャーの作成するケアプランひとつで要介護者の生活は大きく変わります。

介護保険法の改正などによってサービスの内容が変われば、その都度利用者に説明し、入院や介護サービス利用中の事故などの際にも駆け付け対応することが求められるのがケアマネージャー。

介護保険に関する専門的な知識だけでなく、フットワークの軽さやニーズをしっかりと聞き出すヒアリング能力、介護施設や医療機関との調整を行う調整能力、関係者を集め利用者にとって最適なケアプランの遂行を進めるマネジメント能力など様々な能力が求められる仕事なのです。

地域包括ケアシステムでケアマネの役割はどうなる?

地域包括ケアシステムにおけるケアマネの役割

利用者が抱える様々なニーズや課題に合わせて最適なケアプランを提案し、関係各機関を結ぶことで、要介護者の暮らしをサポートをすることが仕事のケアマネージャー。介護と医療など分野をまたぐ人たちを取りまとめてきた調整役としての役割は、介護・医療が一体となった地域包括ケアシステムのもとでは必ずしも“なくてはならない”ものではなくなってきたという声もあがっています。

それと同時に、一人暮らし高齢者の増加、老老介護の増加などの実態を踏まえ、介護サービスを利用する高齢者の孤独死や、在宅介護が困難だけれど経済的に施設入所も難しいといったケースに直面する高齢者をいかにサポートしていくかという点がより大切になってきています。

ただ、サービスが計画通りに遂行されているかを見守る役割から、主体的に問題と向き合い、地域の介護サービスや高齢者福祉のあり方に現場を知るものとして高齢者の代弁者として訴えることが、新たな役割として期待されてもいます。

今後もますます、一筋縄ではいかない問題に向き合う大変な仕事になっていくことは間違いのない事実のようです。

ケアマネージャーに対する利用者からの声

ケアマネージャーに求められていること

【みんなの介護アンケート】理想のケアマネージャーに求められる能力は何ですか?
フットワークの軽さ(380票)
高いコミュニケーション能力(339票)
優れたケアプランの作成能力(251票)
要介護者への優しい思いやり(250票)
家族に対する細やかな配慮(218票)
迅速に書類仕事を行う事務能力(170票)
介護保険に関する広範な知識(139票)
介護現場における豊富な経験(131票)
その他(35票)
itemcount
フットワークの軽さ380
高いコミュニケーション能力339
優れたケアプランの作成能力251
要介護者への優しい思いやり250
家族に対する細やかな配慮218
迅速に書類仕事を行う事務能力170
介護保険に関する広範な知識139
介護現場における豊富な経験131
その他35

年金受給額が生活ほぼ支給基準額を下回るなど、必要最低限の生活すらままならない高齢者の増加や、老老介護・認認介護に直面する高齢者をどうサポートしていくのか、頭を悩ませているケアマネージャーの方も多いかもしれません。

みんなの介護ホームページ上で実施した「理想のケアマネージャーに求める能力」を問うアンケートで最も多かったのが「フットワークの軽さ」で全体の約2割。次いで「高いコミュニケーション能力」で約17パーセント、「優れたケアプランの作成能力」と「要介護者への優しい思いやり」と続いています。

フットワークの軽さが求める能力のトップに上がっているように、確かな介護保険への知識のもとケースに応じて臨機応変に対応していかなければならないというのはなかなか大変なこと、というのは容易に想像できるのではないでしょうか?

ケアアネージャーへの不満

  ケアプランへの満足度
満足 不満 無回答
施設入所希望 在宅介護を続けられる人の合計 85.7 8.9 5.5
考えていない 84.3 7.7 8.0
大変になったら検討する 88.4 8.2 3.4
施設入所希望 在宅介護を続けられない人の合計 73.9 23.7 2.4
大変になったら検討する 73.8 24.8 1.3
申請中・申請予定 75.6 21.7 2.8
認知症診断状況別 認知症と診断されていない 72.1 11.6 16.3
症状はあるが日常生活に問題はない 77.3 15.0 7.7
サポートがあれば日常生活ができる 75.6 16.5 5.9
日常生活に支障をきたす症状がある 83.4 13.1 3.5
問題が見られ専門医療が必要 82.5 17.5 -

2014年に「日本労働組合総連合会」が行った「要介護を介護する人の意識と実態に関する調査」では、ケアプランへの満足度を問う設問に対して「満足している」と答えている人が全体の約75パーセントと大多数の人がケアマネージャーの作成するケアプランへの満足度は高いことが分かっています。

「ケアマネージャーに対する問題」を問う設問でも「特に問題はない」と回答する人が全体の約49パーセントを占めています。半数近くの要介護者が、ケアマネージャーの仕事に対して満足していると思っている一方で、この調査からは要介護者の状況によってケアマネージャーへの満足度に差があることも浮き彫りとなっています。

例えば、在宅介護を続けられないという理由から施設入所を希望している人のうち、ケアマネージャーに「特に問題はない」と思っている人の割合は全体の平均よりも10パーセントほど低い39.6パーセント。こうした人たちはケアマネージャーに対して平均よりも「ケアの自己負担額が多過ぎる」「訪問回数が少ない」などと言った点を問題として感じていることが明らかになっています。

また、ケアプランへの満足度も平均よりも低く、「不満」と回答している人が平均よりも10パーセントほど多い23.7パーセントとなっています。

利用者の認知症症状が高くなればなるほどケアマネージャーの問題点に「認知症の知識が乏しく提案ができない」という点を上げる人も増加傾向にあり、対応が困難なケースにおかれている利用者はケアマネージャーへの不満を抱えやすいという事が分かります。

このように、介護サービス利用者の状況によって、ケアマネージャーに対する評価は大きく分かれ、ケアマネージャーの問題なのか制度の問題なのか判断が難しい側面もあると言えるでしょう。

この結果は、裏を返せばこれからケアマネージャーに求められる資質というのは、こうした介護保険サービスを利用しても生活が困難な人にとって、どのようなプランを提案し、悩みを解決していくのかという“問題解決能力”が求められているということにも他なりません。

理想とギャップに悩むケアマネ

増え続ける仕事量

ケアマネージャーの仕事の中には、単純なケアプランの作成で済むケースもあれば、認知症や老老介護、虐待、経済的事情など個人や制度では解決できない難しい問題に直面するケースも少なくありません。

そうした際に、本来であればとことん利用者目線に立って問題を解決できればベストですが、ケアマネージャーの働く環境を見るとそうしたことを強く求められないのではないか?という状況があるのです。

例えば、2012年に三菱総合研究所が発表した「居宅介護支援事業所における介護支援専門員の業務及び人材育成の実態に関する調査」では、ひとつの介護事業所が抱える利用者数が平均して72.2人だったのに対し、1事業所にいるケアマネージャーの数は平均して常勤職員が2.8人、非常勤職員が0.2人となっています。

これらの数字を単純計算すれば、ひとつの事業所に所属するケアマネージャーが抱える担当利用者の数は平均して約24〜25人。あくまでも平均ですから、これよりも多くの利用者を担当しているケアマネージャーも多数いることが予想されます。

ケアマネージャーが現在抱えている「勤務上の悩み」上位5位(複数回答)
1位 自分の力量について不安がある 53.9%
2位 賃金が低い 32.3%
3位 残業が多い・仕事の持ち帰りが多い 16.6%
4位 休日・休暇が取れない 13.6%
5位 兼務業務が忙しくケアマネ業務の時間が取れない 12.6%

冒頭でもご紹介した通り、ケアマネージャーの多くが月に残業や休日出勤をしている実態がみんなの介護のアンケートからも浮き彫りになっていますが、実際、三菱総合研究所の実施した調査では、「残業が多く仕事の持ち帰りが多い」と回答している人が16.6パーセントもいることが分かっています。

同時に、賃金の低さを勤務上の悩みに挙げる人も3人に1人の割合でのぼっており、忙しさの割に賃金が低い、という大変な状況にケアマネージャーたちが置かれていることも分かっています。

ケアマネージャーが現在抱えている「業務遂行上の悩み」上位5位(複数回答)
1位 記録する書式が多く手間がかかる 63.3%
2位 困難ケースの対応に手間が取られる 50.7%
3位 ケアマネの業務範囲が明確でない 22.6%
4位 制度が頻繁に変わり対応に時間と労力がかかる 22.4%
5位 利用者本位のサービスが貫けない 19.3%

さらに、業務を行っている上で生じる悩みを問う質問に対しては、最も多かったのが「記録する書式が多く手間がかかる」で全体の63.3パーセント。次いで「困難ケースへの対応に手間が取られる」が50.7パーセント、「ケアマネの業務範囲が明確でない」が22.6パーセント、「制度が頻繁に変わり対応に時間と労力がかかる」が22.4パーセントとなっていました。

こうしたアンケート調査からも分かる通り、介護保険給付申請などの煩雑な事務作業に加えて、制度から支援がこぼれ落ちてしまう利用者に対する対応に頭を悩ませているケアマネージャーが多いことが読み取れます。

また、利用者の自宅に訪問し、様々な悩みを聞いているなかで“どこまでやってあげたらいいのか…”と、できることとできないこと、本来やるべきこととそうでないことの境界線をどう引いていくのか、難しい問題に直面していることが分かります。

将来に不安を感じるケアマネージャーたち

【みんなの介護アンケート】ケアマネージャーの方に質問です。現在の月収(額面)はいくらですか?
16万円未満(24票)
16万〜18万円未満(14票)
18万〜20万円未満(28票)
20万〜22万円未満(31票)
22万〜24万円未満(55票)
24万〜26万円未満(75票)
26万〜28万円未満(67票)
28万〜30万円未満(50票)
30万円以上(74票)
itemcount
16万円未満24
16万〜18万円未満14
18万〜20万円未満28
20万〜22万円未満31
22万〜24万円未満55
24万〜26万円未満75
26万〜28万円未満67
28万〜30万円未満50
30万円以上74

理想と現実のギャップに悩みながらも、忙しい日々を送るケアマネージャーですが、みんなの介護ホームページ上で行ったアンケートでは、1ケ月あたりの給料が24万円未満のケアマネージャーがなんと36.4%という実態も浮き彫りになっています。

ここからさらに税金や保険料が引かれれば、手取りはさらにすくなくなりますから、生活をすることはいわばギリギリの状態、と言うケアマネージャーの方も少なくないのではないでしょうか?

先ほどご紹介した三菱総研の調査でも、「ケアマネージャーの仕事をもう続けられないと思うことがあるか」という質問に対して「よく思う」「ときどき思う」「たまに思う」と回答した人が全体の75%以上を占めています。

  全体 よく思う ときどき思う たまに思う ほとんど思わない 無回答
常勤・専従 1207人
100.0%
186人
15.4%
349人
28.9%
406人
33.7%
256人
21.2%
10人
0.8%
常勤・兼務 393人
100.0%
51人
13.0%
103人
26.2%
138人
35.1%
88人
22.4%
13人
3.3%
非常勤・専従 207人
100.0%
26人
12.6%
64人
30.9%
71人
34.2%
44人
21.3%
2人
1.0%
非常勤・兼務 58人
100.0%
4人
6.9%
15人
25.9%
22人
37.9%
16人
27.6%
1人
1.7%
全体 1868人
100.0%
267人
14.3%
533人
28.5%
637人
34.1%
405人
21.7%
26人
1.4%
 

大切な在宅介護を支える人たちがこんな風に感じながら仕事をしているとしたら、これからの介護に不安を感じてしまいますよね。ケアマネージャーに対する不満は、もしかしたら制度そのものに対する不安なのかもしれません。そう考えると、介護サービスを日頃利用し、ケアマネージャーに不満を感じていた方もちょっとだけケアマネージャーへの認識が変わるのではないでしょうか?

介護サービスを利用する高齢者にとっても、介護サービスを支えるケアマネージャーやその他の介護関係者にとっても、双方がいきいきと安心して暮らせる社会制度の充実が必要だと言えるでしょう。

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