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高齢者の孤立・孤独死を考える

高齢化に伴い増え続ける孤立する高齢者たち

今後も増え続ける見込みの独居老人

総務省統計局が発表している昭和25年から平成47年にかけての高齢者人口および割合の推移グラフ、高齢者人口の割合が昭和25年には5%ほどだったのが平成2年に12.5%、平成25年に25%を超え、平成47年には37%前後にまで上昇するとみられている

2014年に総務省が発表した結果によると、日本における65歳以上の高齢者の数は、3296万と過去最高の数字を記録。いまや日本は全人口の26パーセントが高齢者となっています。さらに、一人暮らしをしている高齢者の数は年々増加の一途をたどり、「国勢調査(平成22年)」では65歳以上の高齢者のうち男性で10人に1人、女性で5人に1人が一人暮らしをしていることが明らかになっています。

内閣府が発表している一人暮らし高齢者の動向についてのグラフ、2015年には一人暮らしの高齢女性が4119000人・一人暮らしの高齢男性が1889000人、2035年には一人暮らしの高齢女性が5014000人・一人暮らしの高齢男性が2608000人にまで増加すると見られている

一人暮らしをする高齢者、いわゆる“独居老人”は今後も増加すると見込まれており、2035年には高齢者のうち男性の16.3パーセント、女性の23.4パーセントが一人暮らしをすることになると推計されています。

独居老人の増加に伴い孤立と孤独死が社会問題に

少子化、未婚率の上昇など様々な事情から家族と世帯を共にしない高齢者が増えているなか、多くの高齢者が直面しているのが、社会からの孤立と孤独死の問題です。

東京都監察医務院の発表による東京23区における孤立死統計のグラフ、2012年には2727人もの人が孤立死しているという調査結果

例えば、東京都観察医務院が公表している東京23区内の孤立死者数は、平成15年時点で1441人だったのに対し、平成24年には2727人と倍増しています。今や他人事ではなくなった「孤独死」への危険と隣り合わせの高齢者が増えているなかで、どうして高齢者が社会から孤立してしまうのか、孤独死を迎えないためにできることは何なのかを考えてみましょう。

高齢者はなぜ孤立してしまうのか

孤立する高齢者の現状

内閣府により発表された「高齢者の経済生活に関する意識調査(平成23年)」によると、一人暮らしをしている高齢者の会話の頻度は電話や電子メールを含んだとしても「2、3日に1回」が最も多く、次いで「1週間に1回未満」となっており、日常生活で会話をほとんどしない一人暮らし高齢者の日常が浮き彫りとなっています。

内閣府が2011年に発表した高齢者の経済生活に関する意識調査の結果、高齢者の会話の頻度(電話やEメールを含む)について、一人暮らし世帯では2〜3日に1回が多いのに対して1週間に1回未満(またはほとんど話をしない)世帯も8%と多い数字が出ている

また、同じく内閣府が行った「高齢者の住宅と生活環境に関する調査(平成22年)」では、「近所付き合いの程度」を問う設問に対して一人暮らしをする高齢者の約64パーセントが「ほとんどない」、もしくは「挨拶をする程度」と回答。地域に暮らしていても、地域社会との接点がなく社会から孤立する一人暮らしの高齢者が多いことが見受けられます。

内閣府が2010年に発表した「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の調査結果、高齢者における近所づきあいの程度について、一人暮らし世帯では「あいさつをする程度」とする人が47%、「親しく付き合っている」という人が36%にも上っている

他人事とは言えない高齢者の社会からの孤立。普段から人と会話をしない、近所付き合いがない暮らしをしていれば、いざ何かに困ったときに頼れる人がいない状況になるのは不思議ではありません。

内閣府が発表している「高齢者の経済生活に関する意識調査(平成23年)」では、「困ったときに頼れる人がいない」と回答している人が一人暮らしをする高齢者の実に5人に1人にものぼっており、急に体調を崩してしまったり、家庭内でケガをしてしまったりしたときに誰かに助けを求めることができない状況に陥っている高齢者が多いことが伺えます。

内閣府が2011年に発表した「高齢者の経済生活に関する意識調査」の結果、困ったときに頼れる人がいない高齢者の割合について、一人暮らし世帯では20%の人が困ったときに頼れる人がいないと回答している

パラサイトシングルの増加や、未婚者がそれほど珍しいことではなくなっている昨今。若い頃から地域社会との繋がりが薄い生活を送ったまま老後を迎えてしまう人や、経済的事情や健康面での問題から外出する機会が減り、ますます社会から孤立せざるを得ない高齢者が増えていくことが予想されます。

悲しい孤独死を迎えないために

孤立しない暮らしをするためには

少子化に伴い、高齢者を積極的に雇用し社会への参加を促すために、健康で意欲と能力がある限り働き続けられる社会づくりに国も乗り出しています。

厚生労働省が発表している「高年齢者の雇用状況(平成26年)」では、平成26年の60歳以上の常用労働者数は全体で増加傾向にあり、従業員31人以上規模の企業では約287万人、従業員51人以上規模の企業では約260万人となっており、5年前の平成21年と比較すると合計で約226万人も増加しています。

働けるうちは、社会に参加し働くことで多くの人との繋がりを持ち、自分自身の人生にも生きがいを見いだすことの出来る社会が徐々につくられてきていると言えます。

厚生労働省が発表している2005年から2014年にかけての60歳以上の常用労働者の推移グラフ、2005年には105.0万人程度だった高齢労働者の数が2014年には287万人以上になることがわかる

また、就労と並び高齢者が社会に参加することが出来るのが、自治会や町内会、ボランティア活動です。内閣府が実施した「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査(平成25年)」では、60歳以上の高齢者のうち、趣味のサークルや健康・スポーツのサークルなど何らかのグループ活動に参加している人の割合は全体で61パーセント。平成15年と比較しても18.7パーセントも増加しています。

内閣府が発表している高齢者のグループ活動への参加状況を示したグラフ、2013年時点で「参加したことがある」と答えた人が61.0%に上っている

多くの高齢者が孤独死や社会への孤立への不安を抱えるなか、地域や社会との繋がりを保つための受け皿はつくられつつあり、仕事・ボランティア・趣味など何かしらの繋がりを積極的につくることで一人暮らしをしていても社会から孤立しないための対策を立てる高齢者が増えてきています。

日頃からできる限り外へ自発的に出るなどして、個々人で孤独死のリスクを減らすための対策を立てることも必要な時代になってきているのかもしれません。

地域での見守りについて

在宅介護を推進するには地域とのつながりが不可欠

ひと昔前までは「向こう三軒両隣」といった親しい近所付き合いがありました。しかし最近では、地域のつながりの減少や家族関係が希薄な場合が増え、地域の支え合う力が低下しているのが現状です。

一人暮らしの高齢者にとっては、体調不良となった時に気付いてくれる人や、悪質業者にだまされないように見守ってくれる人が必要です。

孤独死という最悪の結果を招かないために、一人暮らしの高齢者が孤立することなく、安心して生活するために、各市区町村では様々な方法で「見守り」を行っています。

住民同士がさりげなく気遣い、困った時には遠慮なく助けを頼めるような地域づくりを行うために、2012年の介護保険法改正の際に、「見守り」などの生活支援を行うことが、国や地方公共団体の責務として規定されました。

誰が、どんな「見守り」をしてくれるの?

地域で活動している民生委員や見守り協力機関、ボランティアなどの方々が、声かけや訪問などを行います。細かい取り組み内容は各市区町村によって異なるため、お住まいの市町村のHPや担当窓口で確認してみてくださいね。

「最近元気がなくて心配」と感じたり、「新聞がたまっている」「雨戸が数日間閉まったまま」「数日間、姿を見かけない」「会話がかみ合わなくなってきた」「季節にそぐわない服を着ている」など、ちょっとした気になることがあったりしたら、地域の相談窓口に連絡します。

相談窓口は、その地区の地域包括支援センターに設けられています。認知症や虐待など、対応が困難な場合には、専門的な知識や技術を持った職員が対応してくれるので、まずは相談してみましょう。

民間や地域の見守りサポートサービスの活用も
地域住民が寄り添って高齢者を見守る社会で高齢者の孤立を防止
健康上の理由などから就業やボランティア活動に参加できない高齢者に対しても、地域社会全体で支援策に乗り出す自治体も増えてきています。郵便配達員、宅急便の配達員などによる声かけや、自治体によっては定期的に職員が自宅を訪問し安否確認をするサービスなどを導入する地域も出てきています。
また、自宅の水道量や電気使用料をモニターし、生活に異変が起きた際すぐに離れて暮らす家族へ連絡がされる見守りサポートを提供する民間企業も、徐々にではありますが増えてきています。やむを得ず自宅からなかなか外に出られない高齢者の方にとっては、こうしたサービスを活用することで自らの暮らしを守るセーフティネットとするという選択肢もあるのではないでしょうか?
有料老人ホームに入居する
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など高齢者住宅への入居による孤立死対策
孤独死が不安な方にとって最も安心な対策のひとつが、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など高齢者住宅への入居です。
最近では介護認定を受けていなくても入居できる高齢者住宅も多く、職員による日々の安否確認や健康管理、緊急時の対応体制などが整っている住まいでは、引きこもりや孤立の不安も解消されます。
施設によっては趣味のサークルや健康維持のためのアクティビティを豊富に揃えている施設や、デイサービスやクリニックを併設したり、訪問介護サービスを併設したりするなどといった施設もありますので、自分の暮らし方にあった施設を選ぶことで安心して老後を過ごすことができます。
大切な人生の最期を“孤独死”というかたちで迎えないためにも、住まい選びや暮らし方を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
郵便局や民間警備会社にも見守りサービスがある
郵便局や民間の企業でも高齢者の見守りを行っているところがある
高齢者の見守りサービスを提供している民間の会社もあります。
例えば、郵便局では郵便局社員が高齢者の自宅を訪問し、その様子を離れた場所に住んでいる子どもなどの家族に郵便で連絡する、というサービスを行っています。申し込みをした高齢者は、電話での生活相談などもすることもできます。月額1000円〜となっています。電話での毎日の体調確認や、常備薬の案内などのサービスもあります。
警備会社が提供している高齢者見守りサービスには、自宅に空調センサーや施錠確認センサー、非常ボタンなどを設置し、非常時には現場へ駆けつけ確認してくれるというものなどがあります。離れて暮らす家族にメールなどで様子が連絡されるので、安心です。
しかし、これらの「見守りサービス」は、言ってみれば孤独死を防ぐための最後の命綱であり、日々の孤独を埋めてくれるものではありません。ご近所付き合いがなかったり、話す相手がいなかったりする場合、「何とかギリギリで発見してもらうための手段」だと考えておいた方が良さそうです。
理想を言えば、家族と同居したり、または老人ホームなどの介護施設に入居したりするなど、一人暮らしを避けることが最大の見守りとなるのでしょう。
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